葬式は「友引」を避けるべき?その根拠と六曜の関係を解説
葬儀を行う日取りについて考えるとき、「友引」という単語を耳にすることがあります。
これはいったい何なのでしょうか。
この記事では「葬式と友引」に関するこのような疑問を解消!
- お通夜や葬式って友引にやってはいけないと聞くけどなぜ?
- スケジュールの都合上、友引に葬儀をしなければならなくなったが問題ない?
この記事では、上記のように言われている「葬式・通夜」と「友引」に関する話を解説いたします。
友引の意味や根拠、そして対策についてみていきましょう。
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など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
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友引とは
友引(ともびき)とは、「六曜(ろくよう)」の考え方に基づくものです。
六曜(民間信仰のうちの一つ。「六輝・ろっき」とも。日を吉兆に分けて定めるものであり、占いの一種とされる)中国で生まれた考え方であり、14世紀ごろに日本に伝わってきたとされています。そして、広く知られるようになったのは幕末です。
今回取り上げる「友引」は、暦を6つ(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)に分けたうちの一つであり、葬儀には適さない日付だと言われています。
このため、現在でも、「葬儀は友引を避ける」という考えを持っている人もいます。
葬儀(通夜・葬式)と六曜の関係
ここからは、葬儀と六曜の関係について見ていきましょう。
もともと六曜とは、陰陽五行説という占いような考え方から生まれたものです。いかにも仏教用語のような言葉ではありますが、実は仏教とはまったく関係のない単語です。そのため、宗教者のなかには、これに対して非常に否定的な意見を持っている人もいます。
また、浄土真宗では明確にこれを否定しています。
考え方は人によって異なりますが、現在は迷信の一種だととらえる人が非常に多くなっています。
言葉の分かりやすさから幕末~明治時期にかけて広まった単語ではあるだけで、そこに確固たる根拠や宗教上守るべき教えなどがあるわけではありません。
ここでは友引について取り上げていますが、本来「葬儀」と「友引」は特に気にする必要のないものなのです。
友引を避ける人がいる理由
「六曜は仏教とは関係がなく、また宗教(宗派)によってはそれを明確に否定している」という事実があるにも関わらず、「友引に葬儀をするのはよくない」と考える人がいるのはなぜなのでしょうか。
これは、「友引」という名称に理由があります。
友引は、名称の通り「友を引いていく=友を連れていく日だ」と考えられていました。
今よりもずっと「迷信」に対する理解や考察がなされていなかった時代、「友引の日に葬儀をすることで生きている人が死者に引っ張られてあの世に行ってしまう」という考え方が出てきたのは無理からぬことだといえるでしょう。
六曜が宗教的な根拠を持ちえないといわれるようになった現在でも、「友引の日に葬儀を行うことはよくない」とされるのはこれが理由です。
もっとも、「宗教的な根拠もないことにとらわれるのはおかしなことだ」「友引の日を恐れるなどというのはやめるべきだ」という考え方も極論だといえます。
結局のところ葬儀において大切なのは、故人の遺志を守った式をやることであり、また遺族が納得できる葬儀を行うことです。
「迷信だとわかっているけれど、なんとなく気持ちが悪い」「大丈夫だと頭では理解しているが、昔から友引を避けてきたから落ち着かない」
ということであれば、もちろん友引を避けて式をするべきです。
友引に葬儀を挙げざるを得ないときの対処法
友引を信じる人にとって、この日取りのときに式をするのはやはりいやなものでしょう。
しかし火葬場や僧侶のスケジュールの都合で、友引の日に葬儀を営まなければならないケースもあります。
この場合は、棺のなかに「友引人形」を入れるとよいでしょう。
これは人の形をした人形(こけし型のものもあれば、布で作られたものもあります)であり、副葬品に分類されるものです。
「実際の生きている人間(友)の代わりに、この人形を連れて行ってくれ」という意図で入れられるものです。
葬儀会社に頼めば、用意してくれます。値段は人形によって違いますが、だいたい2000円~4000円程度の値段がつけられています。
また、葬儀会社から提案されることもあるかもしれません。
六曜一覧とその意味
葬儀をしてはいけない日の代表として「友引」がありますが、ほかの5つもそれぞれ特徴を持っています。
大安(たいあん)
非常によく聞く単語です。「大安吉日」という言い方をされることもあります。
六曜のなかでもっとも良い日だとされており、終日吉日です。
結婚式などはこの日を狙って行われることが多く、縁起のよい日だとされています。
先勝(さきがち、もしくはせんしょう)
午前中が良き日で、午後からは凶となります。そのため、この日は午前中から物事にあたるのがよいとされています。なお、午前中からし始めたことが午後にかかった場合は、「凶」とはなりません。
先負(さきまけ、もしくはせんぶ)
先勝の逆バージョンです。こちらは、午前中が凶で午後が吉とされています。またこの日は、勝負事は避けた方がよいとされています。また、急用をこなす日としても向いていません。
友引(ともびき)
葬儀を行うのを避けるべき日である、というのはすでに述べた通りです。ただ実はこの日は結婚式に良いとされています。
葬儀のときには「友を引く」として嫌われていますが、結婚式の場合は「友を引く(引き寄せる)」という意味を持つからです。また、この日に結婚式の返礼品を送る人もいます。
弔辞では避けるべきだとされている日が、慶事の場合は歓迎されるというのはなかなか興味深い話です。
また、友引の昼間は凶ですが、夕方~夜と午前中は吉とされている日でもあります。
赤口(しゃっく、もしくはしゃっこう)
六曜のなかでもっとも聞き慣れない単語なのではないでしょうか。また、文字からでは意味がうかがい知れない単語でもあります。
これはかなり特殊な日で、「正午ごろ(11時~13時の午の刻)は吉日となるが、それ以外の時間帯は凶となる」という特徴を持っています。
なお、兼好法師の作品である「徒然草」にはこの赤口について触れた記述が見られます。
仏滅(ぶつめつ)
六曜に詳しくない人であっても「大安」とセットで覚えている人が多いであろう日が、この「仏滅」です。
「仏様も滅するほどの日」を意味する言葉であり、六曜のなかでもっとも良くない日とされております。特に慶事の場合は意識してこれを避ける傾向にあります。
六曜が迷信であるとされている現在であっても、「仏滅の日に結婚式を挙げるお客様には、割引サービスをします」としている結婚式場もあります。
葬儀(通夜・葬式)の日取りの決め方
「仏教に関係していない」「明確な根拠があるわけではない」という認識が広まった今、六曜を気にして式を挙げる人はほとんどいなくなりました。
あくまで葬儀社で勤めていた筆者の体験ですが、友引での葬儀で友引人形を入れるというのは1年に1回くらいの割合でした。
葬儀(通夜・葬式)の日取りの決め方は、多くの場合、宗教者や火葬場、あるいは葬儀会場のスケジュール(空き状況)の都合によって決められています。そのため、特段六曜を意識する必要もないでしょう。
ただ、やはり葬儀というのは、「故人を悼む儀式」「遺族が心の整理を付けるための手助けとなるもの」です。
このため、故人や遺族が六曜を重要視する人であるのなら、友引の日は意識して避けるべきです。
また、ご年配の方のなかには、やはり六曜を気にする人もいます。
もちろん最終的には遺族の判断に委ねられますが、遺族や親族で少しでも気にする人がいたのなら、別の日に葬儀を行ってもいいかもしれません。
また、「友引の日にすることにしたけれど、やはり親族が気にしている」ということであれば、友引人形を入れるように提案してみるのもよいでしょう。
この記事のまとめ
六曜は現在ではすたれつつある考えです。しかし、「結婚式は大安にやりたい」「仏滅の日は結婚式を安くする」というケースがあるように、「なんとなく意識している人」の数は決して少なくはないと考えられます。
これはもちろん、「葬儀」の場でも同じことがいえます。
宗教的な根拠はないとされているにも関わらず、「友を引く」という意味があるとして友引を嫌う人もいます。特にご年配の方は気にする傾向にあります。
現在は宗教者や火葬場のスケジュールと、遺族の予定をあわせて見て葬儀の日程を決めていくスタイルが主流です。
ただ、「友引であること」を気にする人が親族や遺族のなかにいるのであれば、
ここがポイント
- 葬儀の日を変える(3日程度の間ならば、ご遺体もきちんと維持できます)
- 友引人形を入れる
などのような対策をとるとよいでしょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
友引は暦を6つ(先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口)に分けたうちのひとつですが、そもそもこの6つの暦に定着したのは古い話ではなく、せいぜい江戸末期から明治にかけての頃だと言われています。
しかも友引は、本来は「共引」と書き、勝負のつかない引き分けの日という意味でした。それが友引という字があてられるようになってから、不吉な意味とされてしまったので言霊とは恐ろしいものです。
迷信ではありますが、忌み嫌われている暦とされているため、あえて友引を火葬場の定休日としているところも多くあります。
24時間365日休みのない葬儀業界ですので、六曜は人員のシフトを調整するのにうまく活用できるという側面もあります。
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