石材の販売店で上手に墓石を買うために!複数の石材店を見比べよう
石材の販売業者を徹底解説
- 墓石購入は大事な決断で、信頼できる石材店選びが肝心。
- 墓石選びには、複数店の比較と専門的アドバイスが重要。
- 石材店は墓石設置からメンテナンスまで幅広いサービス提供。
- 石材店の実績や情報発信、知識、説明内容、人柄で石材店の信頼性を確認。
墓石の建立は、一生に一度あるかないかの大きな買い物です。
普段から頻繁に墓石を買うことなどありませんし、石材の販売店にだって用事がなければ行きません。
ましてや、周りを見渡してもお墓について詳しい人などほとんどいないでしょう。
だからこそ、納得のお墓を建てるためには、信頼のおける石材店と出会えることが大切です。
この記事では、石材店がどういうお店なのか、そして信頼できる石材店とどのように出会えばいいかなどをまとめました。
参考にして頂ければ幸いです。
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この記事の目次
石材の販売店で対応してくれること
石材店では、墓石やお墓参りの道具などを販売しますが、具体的にどんなサービスが受けられるのでしょうか。
普段用事がなければ立ち入ることのない石材の販売店について、くわしくご紹介いたします。
墓石建立の相談
石材店ではお墓の建立に関する相談が可能です。
石材店にはさまざまなお墓が展示してあり、また数百を超えると言われている石材のサンプルも用意されています。
新たにお墓を建立したいと考える人は迷わず石材店に出向きましょう。
墓地の販売や斡旋
これから墓地を取得しようと考えている人も、まずは石材店に相談してみましょう。
墓地の取得は、それぞれの霊園に行かなければならないと考える人が多いのですが、石材店はさまざまな霊園の情報を持っています。
石材店自身が保有している霊園もあるでしょうし、付き合いのある寺院墓地や民営墓地を斡旋してくれるところもあるでしょう。
また、公営霊園はどの石材店でも出入りが可能なため、相談に乗ってくれます。
石材店は、その地域のさまざまな霊園や墓地に出入りしています。
墓地の情報収集には欠かせない存在です。
墓地の造成工事
石材店による専門的な知見から、寺院や地域の共同墓地の造成工事も行います。
綿密な打ち合わせをし、土木業者に指示を出し、お墓参りしやすい造成工事を請け負ってくれるでしょう。
墓石への文字彫刻
すでにお墓がある場合、身内に不幸が起きると、納骨に間に合うように故人様の文字を彫刻しなければなりません。
具体的には、故人様の戒名、生前の名前、命日、年齢などを刻みます。文字彫刻は、注文を受けて、2週間から1ヶ月近くの日数を要します。
納骨の日が決まったら、早めに石材店に相談することをおすすめします。
お墓の修理やクリーニング
お墓の破損や汚れで困っている人も石材店に出向きましょう。部分的な修理やリフォームにも対応してくれるでしょう。
また、一般の人たちでは落とせない汚れも、可能な限りクリーニングしてくれます。
墓じまいやお墓の引っ越し
不要になってしまった墓じまいや、お墓の引っ越しにも対応してくれます。現地に出向いて見積もりを取ってもらいましょう。
お墓用品の販売
たとえば、ローソクや線香だけでなく、ローソク立てや線香立て、お掃除道具など、お墓参りに必要なものも販売しています。
お盆の季節には花を販売する石材店も見かけます。
モニュメントや石碑などの石材加工
石材加工に関するあらゆる製品を販売しています。
筆者の経験だけでも、寺院の山門に建てられた門柱、会社のエントランスに置かれるモニュメント、日本庭園の灯籠、建築材として壁面へのタイルの設置など、石材に関わるあらゆる案件に対応可能でしょう。
インテリア関係
石材店では、家の中に飾る石製品も購入できます。
石のオブジェ、モダンなデザインの灯篭、玄関用の表札、その他動物などの置き物などを反ば敷いているところもあるでしょう。
信頼できる石材の販売店を見つける方法
納得いくお墓作りには、信頼できる石材店との出会いがすべてです。費用が安いからいいわけでもありませんし、老舗だからいいわけでもありません。
筆者なりに考える、信頼できる石材の販売店を見つける方法をまとめました。
石材店の探し方
石材店は、新聞広告やインターネットなどから入手しましょう。また、公営墓地の周辺には店舗を出していることが多いので、訪ねてみましょう。
信頼できる石材店を見分けるポイント
信頼関係とは、すなわち人間関係のことです。そこにはもちろん相性もあります。
「安いからよかった」ではなく、「この人でお墓を建ててほしい」と思える人との出会いが大切です。
なぜなら、お墓とは、まさに「想い」が込められるものだからです。
以下、そのポイントをまとめました。
地域の実績があるか
まずは、その地域で実績があるかどうかを確認しましょう。実績を積み上げているということは、その地域に住んでいる人たちから評価されている証でもあります。
何かあった時も、地元の石材店ですから、すぐに対応してくれるでしょう。
インターネットで積極的に情報発信しているか
墓石業界は比較的時代から遅れているところがあります。
他の業界に比べてみると、売り手も買い手の気持ちに寄り添うことを得意としないという全体的な傾向があります。
これは、買い手が墓石のことについてほとんど知識を持ち合わせないために”情報の非対称性”が起きているからだと思われます。
しかし、いまはインターネットなどで簡単に知識や情報を入手できる時代です。
お墓や石材について、インターネットなどで情報の公開や発信を積極的にしているところは、消費者とのマインドが一致していることが多いでしょう。
石材についての知識が豊富
100種類を超えると言われる石材ときちんと説明できるかどうかを見極めましょう。
墓地に行った時に、どのお墓がどの石材でできているかをきちんと言い当てることができるかは、その営業マンの能力を見る時のひとつの基準になります。
施工の内容を写真などできちんと説明するか
お墓は完成してしまうと、外見からしか判断できません。お墓の耐久性を保証する要素のうち、大きなものに基礎工事があります。地盤などの目に見えない部分をどのように工事をするのか、きちんと説明できるかどうか確認しましょう。
営業マンの人柄
そして最後は、営業マンの人柄です。「大事な家族や先祖を祀るお墓をこの人に任せたい!」と思わせてくれるような営業マンが望ましいでしょう。経験や年齢だけではありません。どれだけ親身に施主の声に耳を傾けるかが大切です。
お墓を建てるまで石材店との一連の流れ
お墓を建てるためには石材店とどのようなやりをするのか、流れを掴んでおきましょう。
1.墓地の取得
お墓を新しく建てるためには、なによりも墓地を取得していなければなりません。もうすでに墓地を取得しているならば、現地に同行してもらいましょう。
もしもまだ墓地を取得していないのであれば、石材店に相談しましょう。石材店は、地域のさまざまな墓地や霊園に出入りしています。
チラシやインターネットでは得ることのできないさまざまな情報を教えてくれるでしょう。
- 公営霊園
公営霊園は、どの石材店でも施工が可能なため、ある程度の情報を持ち合わせているはずです。
募集の状況や応募の方法。また、霊園によっては建立に条件や制限を設けているところもあるので、事前に分かれば墓地選びの判断材料にもなります。
- 民営霊園
民営霊園のほとんどは、指定業者が決まっています。その石材店が出入りできるのであれば、具体的に墓地を見学させてもらいましょう。
- 寺院墓地
基本的に寺院墓地は檀家向けのものですが、中には檀家でない人を受け入れることもあります。石材店がそのような隠れた情報を持っているかもしれません。
- 地域の共同墓地
共同墓地もその地域の住民向けの墓地です。
地域ごとのしきたりや傾向などを教えてもらえるかもしれません。
2.現地に同行してもらう
墓地を取得しているならば、現地に同行して、測量してもらいましょう。
ただ墓地の奥行きや間口を測るだけではなく、土壌の質を見極めたり、まわりのお墓との調和を考えたり、専門家ならではのアドバイスもしてもらえるでしょう。
石材店側の目線に立った時、墓地に出向いて確認するのは次のような事柄です。
- 墓地の間口と奥行
墓地の寸法を測らないと、面積が割り出せません。図面を作成する上で絶対に必要な情報です。
- 墓地の傾斜
寺院墓地や共同墓地などの昔からある墓地では地盤そのものが傾斜していることがあります。お墓は傾かないように水平に建てることが基本です。
基礎工事の段階で水平が出るようにきちんとした図面を作成します。
なお、公営霊園や民営霊園など、比較的新しく造成された墓地では、傾斜はあまり見かけません。
- 土壌の質
墓地の土壌の質を見極めます。水はけや粘りなど、その土地に合わせて地盤工事を行います。
- 隣のお墓との境界
お墓は、境界を越えないように細心の注意を払います。ある公営霊園などでは、隣の墓地との境を1cm程度マイナスして墓石を据えるよう決まりがあるほどです。
また、共同墓地や山林の墓地など、境界がはっきりしないようなところでは、どこからが施主の墓地で、どこからが隣の墓地か、ロープを張って確認することもあります。
隣の利用者との間にトラブルが発生しないように、工事前にはっきりさせておきます。
- 隣のお墓の盛り土の高さ
隣同士のお墓の盛り土の高さを確認します。お墓の構造は地域によって異なるのですが、外柵を据え付けする場合、盛り土の高さ分の巻石(墓地の周囲を囲む石)を据えて、その高さから墓石が乗ります。
つまり、盛り土の高さを合わせておかないと、墓地全体の高さが隣より高く、あるいは低くなるのです。
- 周囲との調和(お墓の高さ、形、石材など)
その墓地で、どのような形のお墓が建っているかを見渡します。墓地によっては和墓ばかりの墓地、デザイン墓が多い墓地など性格は全く異なります。
8寸程度の小さなお墓ばかりの墓地で、1尺のような大きなお墓は不釣り合いでしょうし、その逆も言えます。
また、国産の石材が多いのか、外国製が多いのか、その墓地の性格をきちんと把握して、図面なり、見積書を作成します。
3.デザインや形の決定
どのようなデザインや形を希望しているかを石材店に伝えましょう。墓地を測量し、周囲の状況を確認しているので、施主の希望を踏まえた上で、さまざまなアドバイスがいただけるでしょう。
こうした打ち合わせを経て、CGや平面図を起こしてもらいます。
この段階ではいくらでも書き換え可能なのです。
分からない点や気になる点は遠慮なく石材店に相談し、納得いくまで図面を書き直してもらいましょう。
4.石材の決定
デザインや形が決まったら、次に使用する石材を決めます。墓石に使用するものは、そのほとんどが花崗岩に分類される石材です。
そして流通しているものは国内外で100種類にも及ぶと言われています。好みの色合いや、その石材の品質、需要と供給のバランスなどにより価格の設定もさまざまです。
石材店におすすめのものをいくつか見つくろってもらいましょう。ここでは代表的な石材をいくつかご紹介します。
代表的な国産石材
- 庵治石(香川県)
世界最高峰と呼ばれる独特の目合が美しい石材です。水晶と同じモース硬度7を誇ります。
- 大島石(愛媛県)
庵治石と並んで西日本を代表する青御影石。関西地方や中四国では古くから銘石として重用されました。
- 本小松石(神奈川県)
他では見られない淡い緑色が特徴の、東日本を代表する石材。
- 浮金石(福島県)
日本では珍しい黒御影石。黒い石肌の中から浮き上がる金箔のような斑が美しい、最高級石材です。
- 真壁石(茨城県)
東日本の青御影の代表的な石。関東地方で最もポピュラーな石です。国産なのに安価なのが魅力です。
代表的な外国産石材
- K-12(中国・黒竜江省)
ここ数年で最も人気のある外国の石材です。ほどよく濃い色合いが人気の理由です。
- アーバングレー(インド)
緑っぽい目合は好みが分かれますが、硬度や吸水率の低さは申し分なく、ここ数年の人気の石材です。
- クンナム(インド)
外国産の黒御影石の代表的な石材です。
- スウェーデンマホガニー
赤色の石材はインドや中国でも産出されますが、最も高級石材がスウェーデン産のものです。
- G623(中国・福建省)
外柵材などに用いられる、安価でかつ大量供給されている石材です。石碑に用いられることはありませんが、量と価格の面から、外柵材や部材用として重宝されています。
石材についてもっと詳しい知識を知りたい方は、「墓石の種類は300種類以上!定番やおすすめの墓石をピックアップ紹介」の記事も読んでみてください。
5.見積り・契約
墓石の形と石材が決まったら見積もりをし、合意に至ると契約書を交わします。完成は、通常であれば契約から2ヶ月程度です。
工事は石材店の職人が行うので、特に施主が墓地に出向く必要はありません。もちろん工事の立ち会いは可能です。
納得する購入には複数の石材店への問い合わせが大事
納得する費用で石材を購入するためには、一社で決めずに複数の石材店を見て回りましょう。
ただ費用の問題だけではありません。石材店によって、施工がどれだけ丁寧か、なにより担当者がどれだけ一生懸命かを比較して判断しましょう。
見積書をそれぞれ出してもらってもいいでしょう。
こちらの希望をどれだけ汲み取ってくれるか、あるいはどのような専門的なアドバイスがもらえるかを見極めることで、その石材店の能力も測れるでしょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
いいお墓作りは、費用や、石材の品質だけではなく、担当者がいかに施主の希望を引き出し、専門的なアドバイスができ、なによりも施主のために情熱を持って取り組んでくれるかが大切です。
この記事のポイント
- 石材店では、墓石の建立だけでなく、石材にまつわるさまざまな小口工事や、お墓参り用品などを購入できます。
- 信頼できる石材店は「地域の実績」「積極的な情報発信」「豊富な知識」「施工の説明」「営業マンの人柄」などから見極めましょう。
- 石材店には、墓地に同行してもらい、現地を細かく確認してもらいます。
- 墓石の形や使用する石材を決めたら、見積書を作成してもらい、合意したら契約書を交わします。
- 納得する費用の墓石を購入するには複数の石材店を回りましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
石材店といっても、地域性による違いも大きく一概に良し悪しは語れません。地方の場合は、地域の石材店がある程度で絞られ、長年地域密着型の営業をしているところが多いようです。都市部は、大手から中小零細、老舗からネットを中心に集客しているところなど玉石混合です。
石材店は、お墓や供養についてさまざまな相談を受けていますが、一方で石の販売をメインとしているため、石質や加工のこだわり、石材の使用量による価値の押し付けを強いる業者がある点も否めません。決して安くない買い物ですから、服や車などと同様、業者まかせにせず、自分なりにリサーチしたうえで比較検討することをおすすめします。