お通夜の全てがわかる!意味・流れ・マナーなどを紹介
高齢社会のさなか、「最近、お通夜に行くことも増えたな」と思っている人もいるでしょう。
何となく礼服を買って、何となく香典袋を買って……と、無難に社会人のマナーをこなしているあなた、「お通夜」の本当の意味をご存じでしょうか?
そう、たとえば、子どもに将来「お通夜ってなに~?」と聞かれたとき、きちんと答えられるでしょうか。
お通夜に関するこのような疑問解消に役立ちます!
- 「お通夜」とは、そもそもどういう意味?
- お通夜のマナーをきちんと知っておきたい。
- お通夜とお葬式、参列マナーはどう違うの?
この記事では、以上のような疑問を抱えている人たちのために、お通夜の意味やマナー、お葬式との違いについて詳しく解説します。
社会人として大事な知識とマナーをしっかり学べば、安心してお通夜やお葬式に参列することができますよ。
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など、数々の不安を抱えている方が多いのではないでしょうか。
お墓の購入に関しては、初めての方が多いため、不安や疑問を持つことは仕方のないことでしょう。
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この記事の目次
お通夜とはお葬式の前日に夜通し故人のそばにいること
お通夜は、古くは「夜伽(よとぎ)」とも呼ばれ、私たち日本人が古くから行ってきた儀礼です。夜に、故人と「ともに寝る」イコール「伽をする」ことから、「夜伽」と呼ばれてきました。
お通夜の基本的なポイントは、以下の2つです。
- 近親者が故人に夜通し付き添う
遺族や故人の兄弟など、近親者が夜を徹して故人に付き添う行為です。
現代では、徹夜をすることはほぼなくなり、近親者も夜は就寝するようになりました。 - 付き添いの間はろうそくや線香の灯を絶やさない
故人の枕元に経机などお参りのためのスペースを設け、ろうそくや線香を絶やさないようにします。
現代では、一度火をつければ一晩中もつ、蚊取り線香のような形の渦巻き線香が重宝されています。
以下、お通夜のそもそもの意味や現代の風習について解説します。
昔は死亡確認のための行事でもあった
お通夜は、昔は死亡確認のための行事でもありました。
現代では、心拍停止、瞳孔散大、呼吸停止の3つをもって死と判定していますが、その基準がなかった時代には、いつ人が死んだのかがあいまいでした。
生きている人を埋葬することはできません。
埋葬してしまう前に、故人と長い時間を共にし、息が戻らないことを確認する必要があります。
そのためにも、通夜があったのです。
ただ、もちろん通夜は、遺体を観察するためだけの儀礼ではありませんでした。
通夜は、突然の死に遺族が折り合いをつけるための時間でもありました。
埋葬したり、荼毘(だび)に付したりするまでのひとときを大事にするためのものという考え方は、今も昔も変わっていません。
お通夜の弔問が儀式化した現代の「お通夜」
お通夜では、夜通し故人のそばにいる遺族を弔問し、慰めることが風習になっていました。
また、わざわざ来てくれた弔問客をもてなすため、近所や親族の手によって料理が振る舞われていました。
そんなお通夜の形を儀式化したものが、現代の「お通夜」です。
現代では、夕方の17時、あるいは18時ごろからお通夜が始まり、僧侶が通夜経を読みます。
一時間ほどの間に読経・焼香・喪主挨拶などを済ませて儀式を終え、通夜ぶるまいの席に移ります。
以上、お通夜の意味や現代の風習について解説しました。
なお、お通夜には、「本通夜」と「仮通夜」とがあります。
次章で詳しく説明しましょう。
仮通夜と本通夜が営まれることがある
お通夜には2種類あります。仮通夜と本通夜です。
本通夜とは、お葬式の前日に営まれるお通夜のことです。
仮通夜とは、本通夜まで日数が空いたときに、親族だけで行う簡素なお通夜のことをいいます。
今では聞かれる機会がほとんどなくなりましたが、年長者から「今日は仮通夜なの?」「本通夜はいつ?」と聞かれる可能性は、ないとはいえません。
「本通夜」がいわゆる一般的なお通夜であり、「仮通夜」はお通夜の前日までに行うものであることを、おさえておきましょう。
以上、「仮通夜」と「本通夜」について解説しました。
お通夜は、地域によってもその内容に違いがあります。
次章で説明しましょう。
いわゆる「お通夜」のない地域がある
東北の一部などに、僧侶や弔問客が訪れるような、いわゆる「お通夜」のない地域があります。
遺族と主だった親族だけが集まり、故人を布団から棺に移す「納棺の儀」を行った後は、簡単な食事を振る舞って静かに過ごします。
夜通し故人のそばにいて、線香を絶やさない点は、基本的なお通夜と同じです。
喪服を着ず、黒っぽい平服で過ごすケースが多いでしょう。
また、青森県の一部など、お通夜の前に火葬をする地域があります。
「お通夜に弔問してお顔を見たい」と考えていると、お通夜の席ではすでに遺骨になっていることがあるため、注意が必要です。
以上のように、いわゆる「お通夜」のない地域があるのです。
また、最近では、お通夜のない葬儀を選ぶ人が出てきています。
次章で詳しく解説します。
お通夜のない葬儀を選ぶ人が出てきた
最近では、お通夜を省略する動きがみられます。
お通夜を行わず、お葬式だけをする「ワンデーセレモニー」と呼ばれるタイプです。
儀式を一つ減らすことで、遺族の心身の負担を和らげ、葬儀費用を抑える役割が期待されています。
お通夜がないと、参列できなくなってしまう人が増えることから
とくに一般参列者の少ない家族葬向けといわれています。
以上、お通夜の各地の風習、最近の傾向について解説しました。
お通夜とは本来どのようなものなのか、どのような形があるのかが理解できたのではないでしょうか。
次章では、お通夜とお葬式の違いについて説明します。
お通夜とお葬式との違い
参列する側からすれば、お通夜も、お葬式も、大した違いはないように思えてしまいます。
どちらも、開式したら僧侶がお経をあげ、親族や一般参列者が焼香し、喪主が挨拶して終わりだからです。
終わったら料理が振る舞われるところまで似ています。
もちろん、お通夜とお葬式ではあげられるお経の種類が違いますから、儀式としては全く違うものです。
しかし、参列者からしてみれば同じように見えてしまうというのもうなずけます。
お通夜とお葬式の違いについて、参列者の視点から解説します。
お通夜は夕方、お葬式は日中
参列者から見た場合、お通夜とお葬式の最大の違いは、儀式が執り行われる時間帯です。
お通夜は夕方17時、あるいは18時といった夕方から行われることが多く、
お葬式は、午前中か午後の早い時間帯が多いのが特徴です。
お葬式の後に火葬をする地域であればお葬式は午前中、火葬をした後にお葬式を営む地域であれば、お葬式は午後に行うケースが多いでしょう。
風習により夕方からお葬式を行う地域もありましたが、最近ではあまりみられません。
お通夜には一般参列者が多く、お葬式は親族中心
お通夜には一般参列者が多く訪れ、お葬式には主に親族が出席するというパターンが、全国各地にみられます。
夕方から行われるお通夜であれば、仕事をしている人も都合をつけやすいため、サラリーマンが多い都市部から広まったといわれています。
とくに、お知らせ状にお通夜の日程を書く場合は、このパターンであることが多いでしょう。
一方、お知らせ状にお通夜の日程を書かない地域もあります。
こういった地域では、お通夜に一般の参列者が訪れることが少ないのが特徴です。
お知らせ状にお通夜の日程がなければ、お葬式のほうに参列するのが正しい対応です。
以上、参列者から見たお通夜とお葬式の違いを紹介しました。
次章では、お通夜のマナーについて解説します。
お通夜のマナー
お通夜のマナーは、お葬式とほぼ同じと思っている人も多いでしょう。
もちろん、重なるところは多いですが、明らかな違いもあります。
お葬式の場合と比較しながら、お通夜のマナーについてご案内します。
参列者は平服か準喪服のいずれか
お通夜に訪れるなら、一般参列者は平服か準喪服のいずれかを着用します。
以前は「まるで準備をしていたようだから、一般参列者がお通夜で喪服を着るのは控えるべき」とされてきました。
しかし、亡くなった日からお通夜の日までが延びたことなどから、最近では一般参列者も喪服で参列することが多くなってきています。
お通夜にふさわしい平服は、「略喪服」ともいわれ、黒、グレー、紺などの地味な色合いの服装です。
男性ならスーツ、女性はスーツかワンピースで、靴やバッグといった小物も、暗い色合いで揃えます。
「平服」とは「普段着」の意味合いではないため、カジュアルな服装は避けましょう。
一方、お通夜にふさわしい準喪服とは、一般的なフォーマル売り場で売られているブラックフォーマルを指します。
男性であればブラックスーツに黒いネクタイ、女性は黒のワンピースにジャケットで、靴やバッグといった小物はシンプルな黒で統一します。
お葬式のときには、一般参列者は準喪服とします。一般的なブラックフォーマルです。
お通夜にブラックフォーマルを着た人は、お葬式でも同じ服装で結構です。
親族は準喪服
お通夜では、親族は準喪服を着ます。いわゆるブラックフォーマルです。
靴や靴下、バッグ、ストッキングなど小物類も全てシンプルな黒で統一します。
一方、お葬式では、大多数の親族がお通夜と同じように準喪服を着ますが、主だった親族は正喪服を着る場合があります。
男性の正喪服は、洋装ならモーニングコート、和装なら五つ紋付き羽織袴です。
女性の正喪服は、洋装ならひざ下丈のブラックワンピースに長袖のジャケット、和装なら五つ紋付きの着物です。
香典の表書き
香典についてのマナーは、お通夜もお葬式も変わりません。
香典袋の種類や表書きは、宗教や宗派によって違います。
- 仏式(浄土真宗以外)の香典袋と表書き
仏式の香典袋は、水引が黒白か銀、地域によっては黄白で、無地か蓮の花が描かれているものを使います。
浄土真宗以外の場合、お通夜もお葬式も、表書きは「御霊前」です。
四十九日以降は、表書きを「御仏前」とします。
この世を漂う霊は、没後四十九日を過ぎると仏になるとされているためです。 - 仏式(浄土真宗)の香典袋と表書き
浄土真宗の場合、表書きを「御仏前」とします。
亡くなったらすぐに仏になるという考えの宗派だからです。 - 神式の香典袋と表書き
神式の香典袋は、水引が黒白か銀、地域によっては黄白で、無地のものです。
表書きは「御玉串料」とします。 - キリスト教式の香典袋と表書き
キリスト教式の香典袋は、水引のない無地か、百合の花や十字架が書かれた袋です。
表書きは「御花料」とします。
相手がどの宗派なのかわからず、迷ったら「御香典」としましょう。
また、とくにお通夜やお葬式の表書きは薄墨を使うのがマナーです。「涙で墨が薄れてしまった」ことをあらわします。
香典の金額
香典の金額相場は、お通夜もお葬式も変わりません。
一般参列者の香典金額は、5千円が相場です。
一方、親族の香典金額は、自分とどの程度近しい間柄であったかによって違います。
両親が亡くなったなら、5万円から10万円ほどをめどとしましょう。
兄弟や姉妹、祖父母であれば、3万円から5万円ほどが目安です。
それ以外は、1万円程度が相場です。
通夜見舞いが必要な地域がある
お通夜にお見舞いの品が必要な地域や間柄があります。
関東東部など、親族はお菓子などのお供物を「通夜見舞い」として持参するのがしきたりである地域があります。
また、名古屋などの地域では、親族に限らず一般の参列者でも「お淋し見舞い」などとして、お菓子を持参するようです。
供物を持参する風習がないかどうか、事前に年長者などへ訪ねてみましょう。
通夜ぶるまいに誘われたときの対応
お通夜の後は、遺族から通夜ぶるまいへ誘われることでしょう。
忙しいとしても、短時間でも参加するようにしましょう。
通夜の料理に箸をつけることが、故人の供養につながると考えられているためです。
ただし、時間に余裕のあるときでも、長居は無用です。
あくまで故人を偲ぶ場なので、話題は故人にまつわるものとし、1時間程度でお暇するようにしましょう。
決して、酔って騒ぐことのないようにしたいものです。
一方、お葬式のあとの精進落としは、親族らが参加するものと決まっています。
招待券などがなければ、儀式後速やかに退場しましょう。
お通夜の前の弔問はなるべく控える
お通夜の前に弔問するのは、よほど親しい間柄でなかったら、控えたほうがいいでしょう。
どうしてもお通夜に出ることができないときには、「お通夜の前に弔問できないだろうか」という考えが頭をめぐることもあります。
しかし、お通夜を控え、親族は愛する家族を失ったショックのさなかに、さまざまな準備をしなければなりません。
個別の弔問は、遺族の負担になります。
以上、お通夜のマナーを解説しました。
お葬式と同じ部分もあれば、違うところもありますから、注意して参列する必要があります。
まとめ
この記事では、お通夜の意味とマナー、お葬式との違いについて説明しました。
知識をきちんと身につけたことで、これからお通夜に参列する機会があっても、自信を持って準備をすることができるのではないでしょうか。
きっと、「お通夜ってなに?」という子どもの質問にも、もう答えられるはずです。
正しい知識とマナーを携えて、フォーマルの場で大人として立派に振る舞いましょう。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
亡くなった人を安置して、家族で夜通し、または数日間故人を囲んで過ごす慣習は、日本だけでなく、世界各地でみられます。
昔は「もしかしたら生き返るかもしれない」という願いを込めて寄り添っていたのかもしれません。
野獣に襲われないように、火を灯して寝ずに見守っていなければいけないという理由もあったでしょう。
日本では、通夜というカタチになり現代に伝わり、それが儀式化して家族や親戚だけでなく、一般の人が参列するようになりました。
よく「通夜」「葬儀・告別式」と表現されますが、通夜のほうに一般の人が多く参列しますので「通夜・告別式」「葬儀」と分けた方が実情に合っているのかもしれませんね。
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