夫婦墓の意味と管理方法を紹介!選ぶメリット・デメリットがわかる
夫婦墓とは?徹底解説
- 夫婦墓は2人専用で、個別墓など3タイプあり、費用は30〜150万円。
- 契約後は一括払い、納骨は生存者と後継者が担当。
- メリットは子どもへの負担軽減、デザイン自由度。デメリットは遺骨移動困難、納骨不安、子どものお墓参り増。
実家のお墓は遠いから、または長男夫婦ではないから、自分たちのお墓を作らなければと考える夫婦は多いでしょう。
新しく従来型のお墓を作れば、そのお墓は子世代以下に代々継承されることになります。
しかし、最近では「残される子どもに迷惑はかけたくない。継承墓はいらない」という考え方をする夫婦が増えてきました。
また、子どものいない夫婦はなおさら、継承墓は買えません。
そんな夫婦におすすめなのが、夫婦墓です。
この記事では、夫婦墓の種類や費用、メリットやデメリット、契約や管理の流れについてご案内します。
最後に実家のお墓の処分方法も紹介するので、子どもに一切負担をかけないお墓の建て方を知ることができますよ。
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夫婦墓とは夫婦2人だけのためのお墓
夫婦墓とは、夫婦2人だけのために建てるお墓のことです。
夫婦墓は大きく区別すると、主に次の3種類があります。
- のちに永代供養される個別墓
- 2人で1つの区画を使う樹木葬
- 2人で1つのスペースを使う納骨堂
それぞれを詳しく説明します。
のちに合祀される永代供養式の個別墓
夫婦墓のタイプとして最も主流なのが、初めは一般的なお墓の形を取り、のちに合祀される個別墓です。
建立するお墓の墓標には、「○○家之墓」ではなく、夫婦の名前を連名で入れるのが一般的です。
契約期間中は個別墓で供養をし、契約期間が切れたら供養塔などへ遺骨が合祀され、個別墓は撤去されます。
契約期間は霊園によりますが、最後の納骨から数えて15年~30年ほどとされる場合が多いでしょう。
なお、多くの場合、霊園側が管理・供養を行ってくれる永代供養式をとります。
その場合は、残された家族がお墓参りやお墓掃除をしたり、年間管理費を支払ったりする必要はありません。
2人で1つの区画を使う樹木葬
1本の木をシンボルツリーとして、その周りに遺骨を納める樹木葬には、夫婦2人で一つの区画を使う夫婦墓タイプがあります。
夫婦墓タイプの樹木葬は、多くが二段式です。
土中に深い穴を掘り、1人目を地中深くに納骨し、仕切り板などをかぶせ、2人目をその上に納骨します。
永代供養式がほとんどですが、年間管理料を支払わなければならないところもあります。
2人で1つのスペースを使う永代供養式の納骨堂
納骨堂には、2人で1つの納骨スペースを使う夫婦墓があります。
このタイプも、個別型と同様、契約期間が過ぎたらスペースから遺骨が取り出され、供養塔などへ合祀されます。
納骨堂側が管理・供養を行ってくれる永代供養式をとることがほとんどです。
このように、ひと口に永代供養墓といっても、その種類はさまざまです。
種類によって、費用相場も違います。
永代供養のお墓について詳しく知りたい人は、以下の記事を参考にしてください。
次章では夫婦墓の費用相場をご紹介します。
夫婦墓の費用は30万円から150万円
夫婦墓の費用は、およそ30万円から150万円ほどです。
ずいぶん開きがあると思われるでしょう。
それは、夫婦墓の種類によって相場が違ってくるためです。
個別墓タイプの夫婦墓の費用相場は80万円から150万円
個別墓タイプは、実際にお墓を建てるわけですから、他のタイプよりも費用が高くなりがちです。
地方であれば80万円ほどからありますが、都心に近づくにつれ高くなり、150万円を超えるケースもあります。
樹木葬タイプの夫婦墓の費用相場は40万円から100万円
樹木葬タイプは、2種類に分けられ、それぞれ相場が違います。
1つの大樹のまわりにたくさんの遺骨が納骨されるタイプなら、40万円ほどからあります。
一本の樹木を独占して個別のスペースを設ける場合は、70万円から、ときには100万円ほどになることもあります。
納骨堂タイプの夫婦墓の費用相場は60万円から100万円
納骨堂タイプの夫婦墓は、地方であれば60万円ほどからありますが、都心に近づけば100万円を超えるケースもあります。
ときに30万円といった価格の安い納骨堂を見つけることがあるかもしれません。
そのときは、一人分だけの費用を指している可能性があります。
2人目以降は追加料金がかかるタイプではないか、十分に注意しましょう。
以上のように、夫婦墓の費用相場には開きがあります。
しかしはっきりと言えるのは、一般的な継承墓よりも相場が安いということです。 子どもが受け継ぐことを前提とした昔ながらのお墓の相場は、200万円から250万円ほどにもなります。
一般的なお墓よりは費用の安い夫婦墓ですが、契約や納骨時には気をつけなければならないことがあります。
次章では、夫婦墓の契約から納骨までの流れを解説します。
夫婦墓の契約から納骨までの流れ
夫婦墓の契約から納骨までの流れは、以下の通りです。
- 1. 契約時に一括してある程度の料金を支払う
- 2. 先に旅立った配偶者を残された側が納骨する
- 3. 2人目を子どもや死後事務執行者が納骨する
順を追って解説します。
1. 契約時に一括してある程度の料金を支払う
夫婦墓は、契約時に一括して料金を支払うシステムを取っている霊園が一般的です。
「残された子どもたちに負担をかけたくない」と、費用を全て自分たちで持とうとする夫婦が多いためです。
個別墓の建立費用や契約期間中の年間管理料、供養塔への改葬料などを一括して支払います。
ただ、全ての霊園が一括料金方式をとっているかといえば、そうとは限りません。
契約時にある程度の金額は支払い、1人目を納骨するときに残りの金額を支払うというシステムをとるところもあります。
2. 先に旅立った配偶者を残された側が納骨する
夫婦のうちの1人が亡くなったら、残された側が1人目の納骨を行います。
支払い金が残っているなら、このときに納めます。
3. 2人目を子どもや死後事務執行者が納骨する
夫婦の2人目が亡くなったら、子どもや死後事務を任された人が納骨します。
このとき、契約金をきちんと支払ったかどうかがあいまいだと、霊園側から新たに支払いを求められてしまう可能性があります。
お金のトラブルを避けるため、夫婦墓の契約書や領収証はしっかり引き継いでおかなければなりません。
夫婦墓を選ぶなら、生前に子どもへお墓の書類一式を渡しておきましょう。
なお、子どもがいない人は、死後に夫婦墓へ納骨してくれる人を決めておく必要があります。
行政書士や弁護士と死後事務委任契約を結ぶか、お世話になる老人福祉施設の施設長などへ託しておきましょう。
遺言に従い、死後のことを本人に成り代わって行ってくれる人のことを、「遺言執行人」や「死後事務受任者」と呼びます。
以上のように、とくに気をつけなければならないのが、2人目納骨をスムーズに行うための引き継ぎです。
注意すべきこともある夫婦墓を、購入しようかどうか迷っている人のために、次章では夫婦墓のメリットとデメリットをお伝えします。
夫婦墓のメリットとデメリット
夫婦墓には、メリットもあればデメリットもあります。
それぞれを比較して、本当に購入するかどうかを決めましょう。
夫婦墓のメリット
夫婦墓のメリットは、以下の3つです。
- 残された子どもに負担がかからない
- 子どものいない夫婦でも利用できる
- 夫婦の想いをデザインに込められる
それぞれ説明します。
- 残された子どもに負担がかからない
夫婦墓の多くは、家族がお墓掃除やお墓参りをする必要のない永代供養式です。
残された子どもは、特に何もする必要がありません。 - 子どものいない夫婦でも利用できる
霊園側が全ての管理を行ってくれる永代供養式が主なので、子どもがおらず継承してくれる人がいない夫婦も利用できます。 - 夫婦の想いをデザインに込められる
夫婦2人だけのお墓なので、後に入る人へ気兼ねすることなく、自由で思い切ったデザインを選ぶことができます。
お墓にオリジナル性を強く出したいと願う夫婦におすすめです。
夫婦墓のデメリット
夫婦墓のデメリットは、以下の通りです。
- 合葬後は遺骨を個別に取り出せない
- 最後の納骨に不安が残る
- 子どもが複数のお墓参りをする必要がある
それぞれ説明します。
- 合葬後は遺骨を個別に取り出せない
契約期間が終わり、供養塔などへ合祀されると、他の人の遺骨と混じってしまうため、後から個別に取り出すことはできません。
子世代が「親も入れるようなお墓を買ったから、そちらへ遺骨を移したい」と思っても、契約期間が過ぎてしまっていれば、それは不可能になります。 - 最後の納骨に不安が残る
2人目の納骨がトラブルなく済むかどうか、引継ぎをきちんとしたとしても不安が残るという人はいることでしょう。
子どもがいない人であればなおさらです。 - 子どもが複数のお墓参りをする必要がある
実家にお墓を残しながら夫婦墓を作ると、子世代は複数のお墓参りをしなければならなくなります。
夫婦墓の管理供養は霊園にお任せできるとしても、先祖代々のお墓が残ってしまえば、結局は子世代に負担をかけることになるでしょう。
以上のように、夫婦墓にはメリットとデメリットがあります。なかでも注目したいのが、「先祖代々のお墓をどうするか」という問題です。
夫婦墓を購入するとともに、先祖代々のお墓を撤去することができれば、子世代の負担はぐっと減ることになります。
次章では、実家のほうに残る先祖代々のお墓を撤去する方法をお伝えします。
実家のお墓を墓じまいする方法
この章では、子世代に負担をかけないために、実家のお墓を撤去するための方法をお伝えします。
お墓を撤去し寺院や霊園との契約を終了することを、墓じまいといいます。
墓じまいをするためには、いくつかの手順を踏まなければなりません。
墓じまいの手順は、以下の通りです。
- 寺院や霊園に契約終了を伝える
- 改葬手続きを行う
- 石材店に依頼し墓石の撤去と敷地の整備を行う
- 先祖の遺骨を取り出し供養する
順を追って説明します。
1. 寺院や霊園に契約終了を伝える
墓地管理者である寺院や霊園に、契約を終了し遺骨を引き取りたいと伝えます。
これまで供養を行ってくれたことに感謝の念を表しましょう。
寺院によっては、檀家を離れるときの離檀料を支払う必要があるかもしれません。
2. 改葬手続きを行う
お墓から遺骨を取り出し、別の場所へ移動させる際には、改葬手続きを行います。
寺院や霊園から発行される埋葬証明書と、改葬許可申請書をあわせて市区町村役場へ提出しましょう。
改葬許可証が発行されてから、お墓の撤去に移ります。
3. 石材店に依頼し墓石の撤去と敷地の整備を行う
石材店に、墓石の撤去と敷地の整備を依頼します。契約終了時には、墓地を更地にして返還しなければならないためです。
墓地を更地にするときの相場は、1㎡あたり10万円です。
このほかに、墓石から魂を抜く「閉眼供養」を行う必要があります。
閉眼供養そのものの相場は3万円から5万円ですが、これまでお世話になった感謝の気持ちを含め、10万年から20万円ほどを包む人も多くみられます。
4. 先祖の遺骨を取り出し供養する
お墓の撤去作業が終わると、先祖の遺骨が残ります。
先祖の遺骨をどう供養するか決めなければなりません。
最もスムーズなのが、これまでお世話になった寺院や霊園の供養塔などへ合祀させてもらうことです。
このとき、寺院や霊園ごとに定められた合祀料を納めます。
この場合、改葬手続きをする必要はありません。遺骨の移動がないためです。
先祖の遺骨を供養する方法としては、合祀の他に散骨があります。
他の寺院や霊園の合祀墓に入るという方法もあります。
以上のように、先祖のお墓を墓じまいするためにはいくつかの手順を踏まなければなりません。
子世代に負担をかけたくないと思うなら、自分たちの世代のうちに行っておきましょう。
墓じまいについてより詳しく知りたい人は、「墓じまいの流れと注意点を紹介!」の記事を参考にしてください。
まとめ
この記事では、夫婦墓の仕組みや費用感、メリット、デメリットをご紹介しました。
「なるべく、子どもに負担をかけたくないから」という気持ちだけで夫婦墓を選ぶ2人もいるかもしれません。
しかし、夫婦墓は、自分たちが選んだ場所へ、好きなデザインのお墓を建てることができる唯一の方法です。
2人だけのお買い物を、明るい気持ちで楽しみましょう!
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
子供のいない夫婦、子供がいてもお墓を継ぐことが難しいという家が増え、夫婦2人だけが入るお墓に対するニーズが増えています。こういったニーズに応えて、承継者がいなくても生前に購入することができ、期限付きで使用できる区画が増えています。使用期限を決めておくことで、期限が過ぎたら管理者側で遺骨を取り出し、お墓は整理したり再販売することができるメリットもあります。
都市部では、2人分納骨できる夫婦用の納骨堂もあります。寺院内にあり、常に人がいて供養の空間が完成されている点が人気なのでしょう。
墓じまいを検討されている方
- 墓じまいはどこに相談するのかわからない
- 複雑な事務手続きをやりたくない
- 墓じまいにいくら必要なのか知りたい
親族や知人などに墓じまいを経験した人がおらず、不安に感じる人もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。
ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。