【墓じまい】アイキャッチ画像

記事監修
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

生活スタイルに合わせて都市圏に集中する人や社会問題にもなっている少子高齢化。そんな様々な社会現象が、お墓事情にも大きく影響しています。

なかなかお墓参りに行けない人や、お墓の面倒を見る人がいないという人お悩みをもつ方々が行う「墓じまい」。いま全国的に増えている墓じまいについてご紹介します。

この記事ではこのような問題解決に役立ちます!

  • 「墓じまいって何をするの?どんなメリットがあるの?」
  • 「墓じまいにかかる費用を知りたい」
  • 「墓じまいをするときの流れや、注意すべきことって何?」

墓じまいは、お墓の管理や維持にお悩みの方にとって一つの解決方法となります。しかし、墓じまいをしたらお終い、という訳ではありません。墓じまいをした後、先祖代々のご遺骨を供養し直すことを検討する必要があるのです。

墓じまいした後の再供養先として人気の高まっている「納骨堂」や「永代供養墓」についても詳しくご紹介いたします。ここ最近、雑誌や電車広告などでよく見かけるようになったこれらのお墓は、墓じまい後の改葬先として多くの人々に選ばれています。

この記事では、墓じまいについての基礎知識と、墓じまいした後に考えなければいけないことについて総合的に解説いたします。

これからのお墓の継承や管理に不安を感じている方にとって、少しでもお役立ていただけますと幸いです。

墓じまいを検討されている方

  • 墓じまいはどこに相談するのかわからない
  • 複雑な事務手続きをやりたくない
  • 墓じまいにいくら必要なのか知りたい

墓じまいを何度も経験したことがあるという方は少ないため、不安に感じる方もいるかと思います。
また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。

ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。

墓じまいとは

砂利が敷き詰められている墓地の区画

墓じまいとは、今あるお墓を解体・撤去し、別の形で供養することを言います。

「お墓を継いでくれる子供や親族が今後いなくなるかもしれない・・・」という不安を抱えているご家庭が、お墓の維持・管理ができなくなるくらいなら、と墓じまいに踏み切ることが多くなりました。

墓じまいとは、ただお墓を処分するというマイナスなことではありません。お墓を片付けて先祖を供養する場所を整えるというプラスなことなのです。

墓じまいでは墓石の撤去を行います。しかしお墓に埋葬されていたご先祖様のご遺骨をそのまま処分する訳にはいきません

墓じまいをする場合は、掘り起こされたご遺骨を、新しい場所で供養し直すことも検討する必要があります。

「墓じまい」と似た意味の言葉で「改葬」や「お墓の引越し」がある

墓じまいお墓の引越し改葬、この3つの言葉は厳密に定義されている訳ではありません。しかし使用されるニュアンスとして、以下のような違いがあります。

  • 墓じまい:お墓を解体・撤去し、墓石以外の供養(永代供養墓など)をする
  • お墓の引越し:お墓を元の墓地から別の墓地に移すこと。新しい墓石を建てるケース、元の墓石をそのまま移動するケースがある
  • 改葬:遺骨の埋蔵場所を移す

より詳しく知りたい方は「お墓の引越しについて」の記事をご覧ください。

以上、墓じまいとは何かをご解説しました。次に、墓じまいをするとなったら、一番気になるのは費用のことではないでしょうか。次の章では費用についてご紹介します。

墓じまいの費用相場

墓じまいの費用相場は、50万~100万円程度であると言われています。必要な費用の内訳は以下の通りです。

墓じまいに必要な費用

見ていただくと分かる通り、遺骨の新しい納骨先は費用に大幅な開きがありますね。この理由も含め、内訳4つの詳しい内容をこれからご紹介します。

内訳①:元あるお墓の撤去に必要な費用

元あるお墓の撤去

元あるお墓の撤去に必要な費用は、墓地面積を2㎡と仮定すると、約25万円~30万円です。

お墓の撤去費用は墓地面積に比例して高くなり、墓地面積1㎡あたり8万~15万円ほどと言われています。※平米あたりの価格は、石材店や墓じまい業者によって異なります。

墓地面積は、墓地の間口(幅)×奥行で算出することができます。たとえば、幅が2mで奥行きが2mの場合は4㎡となります。仮に墓じまい費用の見積もりが㎡あたり10万円だった場合には、4㎡だとおよそ40万円くらいの費用がかかる計算となります。

お墓を撤去する工事費に加え、遺骨を取り出すときに行う「閉眼供養」にも費用がかかります。閉眼供養の費用は、大体3万円~5万円ほどでしょう。

正確なお墓の撤去工事費を把握するには・・・

正確な工事費の見積もりを出すには、工事業者(石材店)が実際霊園に出向いて状況を確認する必要があります。そのため、具体的には以下の項目を石材店に伝えなければなりません。

  • 元の墓石がある霊園・寺院名と所在地
  • 元の墓石がある区画番号、又は場所がわかる情報(例:入って左手の水場の前)、墓石に彫刻された文字など。※スマホで撮影した写真でも概算見積もり可能なこともあります。

基本的には、お墓を建立した時の石材店に相談をすると良いでしょう。また【ライフドットの墓じまい】は全国の墓じまい可能業者と提携しています。ご希望いただけたら全国対応いたします。

内訳②:新しい供養先に必要な費用

新しい遺骨の納骨先に必要な費用は15万~300万円

墓じまいをする場合は、掘り起こされたご遺骨を、新しい場所で供養し直すことも検討する必要があります。

新しい供養に必要な費用は10万円~300万円ほどでしょう。費用に大幅な開きがある理由は、供養のタイプによって費用が大きく変わるからです。

墓じまいをした後によく選ばれる供養タイプとして、以下のものが挙げられます。費用相場とあわせてご紹介します。

供養のタイプ 値段の相場
永代供養墓(合葬墓) 10万~30万円
樹木葬 70万~150万円
納骨堂 50万~100万円
散骨 3万~100万円
手元供養 数千円~50万円
新しい墓石のお墓 100万~300万円

※それぞれの供養タイプについて詳しく知りたい方は、クリックすると詳しい説明にとびます。 

加えて、供養のタイプによっては「開眼供養」のお布施が必要な場合があります。特に新しい納骨先が、家族単位で個別で納骨する場合、必要であることが多いです。

開眼供養は3万~5万円を目安としましょう。

内訳③:その他手続き

その他手続きに必要な費用3,000円

墓じまいの手続きには上記の書類を準備する必要があります。※書類の詳しい説明は手順のところでさせていただきます。

各書類、無料~1500円ほどの費用がかかります。3枚の合計で多く見積もって3000円ほど必要となるでしょう。

もし、自分の自治体・石材店の各種手続きにかかる費用が知りたい場合は、「諸費用一覧 (石材店名)」でWebで検索してみましょう。石材店によっては、情報が掲載されていることがあります。

内訳④:檀家を離れる(離檀)に必要な費用

離檀料10万~20万円

もし元の納骨先がお寺さんであれば、檀家である場合があるでしょう。檀家を離れるいわゆる離檀をするには、お金が必要です。

離檀料は約10万円~20万円(通常のお布施の2~3倍)が相場と言われています。50万円離檀料を請求されたら少し高額という印象です。

【アンケート結果】墓じまいにかかった費用はいくら?

20代~70代で墓じまいをしたことがある男女76名にアンケートを取ったところ、実際に墓じまい(ご遺骨の処理含む)にかかった費用は以下のような結果となっています。

墓じまい(ご遺骨の処理含む)にかかった費用は?(n=76)

1番多いのは50万円以下で26.3%、2番目に多いのは100万~150万円で18.4%、3番目に多いのは50万~100万円で17.1%という結果となりました。

全体の約6割の人が、墓じまいにかけた費用が150万円以下ということがわかります。

もし墓じまいを検討されている方は、費用の参考にしてみてください。

以上、墓じまいの費用についてご説明しました。墓じまいの費用についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

またアンケート結果についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

次の章では、墓じまいの具体的な流れを見ていきたいと思います。

墓じまいをするときの流れ

墓じまいをするためには複数の窓口に連絡をしなければなりません。大まかには以下の5ステップで進められます。

  1. ステップ1:関係者の理解・納得を得る
  2. ステップ2:新しい供養先を確保する(1か月~3か月)
  3. ステップ3:墓じまいの手続きを進める(約1か月)
  4. ステップ4:ご遺骨を取り出す(約1か月)
  5. ステップ5:新しい埋葬先に納骨する

一つひとつの手順について注意点など詳しくご説明いたします。

ステップ1:関係者に相談し、理解・納得を得る

中高年夫婦の相談を受ける終活カウンセラー

墓じまいを進める時は、必ず関係者に相談をして、納得・理解を得る必要があります。 

関係者とは、お墓に埋葬されているご先祖と関わりのある家族・親戚と、もとある墓地の管理者・僧侶のことです。

家族と言っても、自分の身の回りの家族・自分の兄弟だけではありません。必ずお墓に埋葬されているご先祖のご兄弟にも確認をとる必要があります。

またお世話になっている菩提寺がある場合は、僧侶に事前相談をしましょう。唐突に墓じまいの事実を伝えたら菩提寺とトラブルになった、という声はよく耳にします。

早めに相談することで、遺骨の引っ越し先についてもアドバイスがもらえるかもしれません。

一人だけで進めるのではなく、関係者の方にきちんと墓じまいをしたい理由や意図を伝えて、理解してもらいましょう。

なお、お寺の離壇をめぐることについてより詳しく知りたい人は、以下の記事をご覧ください。


ステップ2:新しい供養先を確保する(1か月~3か月)

位牌型の納骨堂

次に、ご遺骨の新しい供養先を確保しましょう。

墓じまいでは、墓地にある墓石を解体撤去するだけでなく、その中にある遺骨の引っ越し先を検討する必要があります。

永代供養墓なのか、納骨堂なのか、きちんと遺骨の引っ越し先を決めておきましょう。

選択肢によっては、供養できる状態になるまでに3か月以上かかることもありますから、新しい供養先は早めに検討をすることをおすすめします。とはいえ、新しい供養先の契約は、必ず関係者の了承を得た上で行いましょう。

以下に、供養のタイプと、供養するまでにかかる時間の目安をご紹介します。墓じまいを進める際の参考にしてください。

供養のタイプ 供養できるまでにかかる時間
永代供養墓(合葬墓) 契約して程なく~1か月
樹木葬 契約して程なく~2か月
納骨堂 契約して程なく
散骨 契約して程なく~1か月
手元供養 手元供養の方法により異なる
新しい墓石のお墓 1~3か月

墓じまい後の供養方法について、より詳しくは記事の後半で説明しています。今すぐ墓じまい後の供養先について見たい方は、「墓じまい後の供養|5つの方法を紹介」をご覧ください。

【コラム】ご遺骨を預けてもらえるサービス「預骨」がある

預骨とは、ご遺骨の一時的に預かってもらえるサービスのことです。

墓じまいをするとき、ご遺骨の新しい納骨先が決まり、手続きも終わり、撤去も完了した。しかしまだ新しい納骨先の準備が整っておらず、ご遺骨を家で保管しなければいけない・・・という事態が生じてしまうことがあります。

そんな時は「預骨」というサービスを利用して、ご遺骨を預かってもらうことができます。しかし「預骨」は一時預かり所であるため、あくまで一時的な対処であることは忘れないでください。

ステップ3:墓じまいの手続きを進める(約1か月)

手続きする人

関係者の了承が得られ、新しい供養先が決まったら、次は墓じまいの手続きを行います。

手続きで出てくる書類は、全4種類です。 

  1. 改葬許可申請書・・・改葬許可証を手に入れるための申請書です。各自治体で手に入れることができます。
  2. 受入証明書・・・新しく遺骨を受けいれてくれる場所があることを証明する書類です。新しい遺骨の受け入れ先で手に入れることができます。
  3. 埋葬証明書・・・遺骨が埋葬されていたことを証明する書類です。元の遺骨の埋葬先で手に入れることができます。
  4. 改葬許可証・・・墓じまい(改葬)に必要な書類です。上の①~③の書類を揃えて自治体に提出すると手に入ります。

【注意】改葬許可証がないと改葬することができません!

手元供養の場合は必要ありませんが、それ以外の手段(永代供養墓・樹木葬・納骨堂)で供養をする場合は改葬許可証が必須となります。散骨をする場合、改葬許可証が必要か否かは業者・自治体によって異なります。

改葬許可証を手に入れるには、自治体・元の納骨先・新しい納骨先とやり取りをせねばなりません。場合によっては実際訪問する必要も出てきますから、計画的に手続きを行いましょう。

また改葬許可証は、元のお墓を撤去・ご遺骨を取り出すときに必要です。撤去する日までには手元に改葬許可証があるようにしましょう。なお、改葬許可証は1霊あたり1枚必要です。よって、予めお墓に何人のご遺骨が埋葬されているか確認する必要があります。

詳しくは、各自治体又は「ライフドットの相談窓口」にお問い合わせください。

ステップ4:ご遺骨を取り出す(約1か月)

石を砕く石材店

墓じまいの手続きが済んだら、次は遺骨を取り出す段階に入ります。

ステップとしては以下の通りです。

石材店(施工業者)を決める

まず墓じまいをする石材店(施工業者)を決めましょう。寺院墓地や民間霊園の場合は石材店が指定されていることが多いようです。もし石材店が指定されていない場合、基本的にはお墓を建てたときに依頼した石材店に相談をするスムーズでしょう。

また納得感をもって石材店を決めたい方は、費用を比較するため2~3社で相見積もりすることをおすすめします。

閉眼供養をしてもらう

墓石を解体撤去するには、必ず寺院に閉眼供養(へいげんくよう)をしてもらいましょう。読経していただくお坊さんにはお布施を納めます。

墓石には、仏様やご先祖様の魂が宿っていると考えられています。撤去工事を行う前に閉眼供養を行うことで、墓石から魂を抜き、ただの石へと戻します。

また閉眼供養は必ず行いましょう。なぜ強くそう主張するかというと、閉眼供養をしないと業者が作業に応じてくれないためです。また閉眼供養をしないことで後悔が生まれてしまうこともあります。

閉眼供養について詳しくは「【墓じまいに必須】閉眼供養とは?目的・タイミング・費用を紹介」の記事をご覧ください。

墓じまいの工事に立ち会う(任意)

施工業者に工事に入ってもらいます。また希望をすれば工事に立ち会うこともできます。現在お墓の工事に立ち会う人はそれほど多くはありません。しかし大切なご先祖様の遺骨ですから、丁寧に扱われているか、自分の目で確かめてみてもよいでしょう。

墓地を返還する

工事が終わったら、墓地を返還します。また毎年墓地に支払っていた管理費の支払いも、止めてもらっているか確認します。

また、よく問合せで「旧墓地の購入代金はどのように戻されますか?」という質問をいただきます。しかし、そもそも墓地は"借りる"という考え方であり、"買う"という考え方ではないのです。

よって、墓地を返還してからといって金銭が戻ってくるわけではありません。墓地の返還料を次のお墓のあてにすることはできない、ということは覚えておきましょう。

ステップ5:新しい埋葬先に納骨する

喪服と数珠 通夜のマナー

既存のお墓の撤去が済んだら、新しい引っ越し先にご遺骨を納めましょう。納骨の際には、改葬許可証を忘れずに持参しましょう。

以上、墓じまいの手順を解説いたしました。もう一度流れを軽くおさらいします。

  1. 関係者の理解・納得を得る
  2. 新しい供養先を確保する
  3. 墓じまいの手続きを進める
  4. ご遺骨を取り出す
  5. 新しい供養をする

    墓じまいをするイメージが湧きましたでしょうか。

    次の章では、実際墓じまいはどのような人がするのか、墓じまいをする人の特徴についてご紹介します。

    墓じまいをするメリット

    お墓の無縁化は社会問題なっています。
    むしろ、子孫が責任もって墓じまいをすることは、ご先祖様を大切にし、子孫としての役割を果たしていると考えられるでしょう。

    お墓を維持したくてもどうしてもできない人が行う墓じまいには、次のようなメリットが挙げられます。

    メリット1:お墓の維持・管理負担がなくなる

    墓じまいをすることで、お墓の維持や管理の負担がなくなります。
    遠方にお墓がある場合、なかなかお墓参りに行けません。

    お墓の掃除も満足にできず、雑草が生えて周りのお墓に迷惑がおよぶこともあります。
    墓じまいをすることで、そうした負担が軽減され、不安もなくなるでしょう。

    メリット2:お墓の継承者の負担軽減

    もしも自分にあととりがいない、いたとしてもお墓へのお参りが期待できない場合は、墓じまいすることで将来の不安が解消されます。

    もしお墓がそのまま放置されてしまったら、ゆくゆくは子や孫が墓じまいをしなければなりません。
    承継者の負担軽減の意味でも、いまのうちから墓じまいを考えてもよいのかもしれません。

    メリット3:墓地管理費の支払いがなくなる

    お墓を所有していると、必ず毎年の墓地管理費を支払わなければなりません。
    墓じまいをすることで管理費の負担がなくなります。

    墓じまいをするデメリット

    墓じまいをすることでどのようなデメリットが起こりうるのでしょうか。
    事前にデメリットを知っておくことでトラブル防止につながるでしょう。

    デメリット1:自身の供養感が薄くなる

    お墓は家族や先祖とのつながりのシンボルです。
    お墓がなくなってしまうことで自分自身で先祖を供養することの主体性が薄くなる可能性があります。

    たとえば永代供養にした場合、「供養はお寺に任せておけばいいのだ」と考えることは一面では安心感につながりますが、ややもすればご先祖様に向き合う機会が減ることにもなりかねません。

    デメリット2:寺院とのトラブル

    寺院の境内にお墓がある場合、墓じまいが離檀、つまり檀家関係を解消することにつながることもあります。

    お寺側からすれば、檀家を一軒失うことは寺院経営の上で大きな痛手で、正当な理由がなければトラブルに発展することもしばしばです。
    まずは必ずこちらの事情や想いを菩提寺に伝えて、理解や合意を得る努力が必要でしょう。

    デメリット3:親族とのトラブル

    お墓へは家族だけでなく親族もお参りをします。親族には墓守の義務はありませんが、お墓参りをする権利はあります。

    お墓参りに行ってみたらある日お墓が解体処分されてなくなっていたとするならば、苦言を呈したり、場合によってはトラブルにも発展するでしょう。

    お参りに来ている可能性のある親族には事前に相談をしておくべきでしょう。

    どんな理由で墓じまいをする人が多い?

    昨今、墓じまいをする人が増えています。では、具体的にどのような理由で墓じまいを検討しているのでしょうか。

    墓じまいをした理由、第1位は「お墓を継ぐ人がいないから」

    実際に墓じまいを実行した・又は検討している336人にアンケートを取ったところ、墓じまいを検討する理由として多かったものは以下の通りです。

    墓じまいをしたいor検討したい理由のアンケート結果(n=336)

      1位は「お墓を継ぐ人がいないから」という理由で53.9%の人が該当。2位は「お墓と自宅の距離が離れているから」という理由で45.5%、3位が「お墓の管理が面倒だから」という理由で36.9%という結果になっています。

      後継者を気にして墓じまいに踏み切るケース、お墓の管理・お墓参りが大変で墓じまいをするケースが多いことがわかりますね。近年「無縁仏」と言われる供養する人のいないお墓が増えています。無縁仏になることを防ぐためにも、墓じまいを行うのです。

      その他の意見には

      • 寺院墓地の檀家付き合いなど、宗教的制約から解放されたい
      • 近い将来引っ越す予定がある
      • お墓というものに意味を見出せない

      といったものがありました。上記に挙げたような人にとっては、墓じまいはお墓の悩みを解決するひとつの手段になります。実際に家のお墓を墓じまいすべきか悩んでいる人は、参考にしてください。

      墓じまいを検討している人は2人に1人

      また20代~70代でお墓の管理をしている男女648人にアンケートを取ったところ、「墓じまいをしたいと思ったことがある(又は実際にした)」「墓じまいをするか迷っている」と回答した人は、全体の半数を超える結果となっています。

      墓じまいをしたいと思ったことはありますか?(n=648)

      この結果から、想像以上に墓じまいをしたいと検討している人が多いということがわかりました。

      世間的に見ても、墓じまいは珍しいことではなくなってきているのです。

      また、墓じまいをすべきかお悩みの方は、ライフドットの「墓じまい・お墓の引っ越し相談窓口」でお電話・WEBのお好きなほうでお気軽でお気軽にご質問いただけます。墓じまいの見積もり依頼や、遺骨の引っ越し先のご相談も承っております。

      それ以外にも、お墓が本当に必要なのかどうか迷っている、という方は以下の記事をご覧ください。

      実際にあった墓じまいのトラブル事例5つ

      危篤の知らせを受ける女性 

      本章では、墓じまいをするときに実際にあった5つのトラブルをご紹介します。5つのトラブルは以下の通りです。

      1. 親族から苦言をていされてしまった
      2. 菩提寺から高額な離檀料を請求されてしまった
      3. 墓じまいの工事業者に費用をぼったくられるところだった
      4. お骨を取り出そうとしたら正体不明のお骨が出てきた
      5. 骨壺から水が漏れ、車の中が水浸しになってしまった

      未然に防ぐことができるトラブルもあれば、中には防ぎようもないトラブルもあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。 

      事例1:親族から苦言をていされてしまった

      トラブル内容

      祭祀承継者である自分には跡取りがないため、墓じまいをして先祖の遺骨を永代供養にした。両親や夫には相談をしていたが、離れて住む父の弟は疎遠になっていたため、墓じまいのことを伝えていなかった。ある時電話をする機会があったので、墓じまいのことを伝えたところ、「お墓参りをしたかった」と激怒されてしまった。

      原因・アドバイス

      お墓をどのように維持・管理するかは、祭祀承継者の権限なので法的にはとがめられません。しかし、法律で割り切れる問題ではないことは言うまでもありません。

      お墓が家のつながりを象徴している限り、祭祀承継者はその役目として亡き人やご先祖様の供養だけでなく、周りの人たちのお参りの環境を整えてあげなければなりません。なぜなら、お墓をどのように管理するかは祭祀承継者の権限ですが、お墓参りの権利は誰にでもあるからです。

      この場合、墓じまいを実行する前に一言、墓じまいの旨を伝えていたらトラブルが防げたかもしれません。

      事例2:菩提寺から高額な離檀料を請求されてしまった

      トラブル内容

      田舎の菩提寺にある墓石を墓じまいして、都会の民間墓地永代供養をしてもらおうと思う。住職にそのことを伝え、改葬に必要な埋葬証明を求めたところ、離檀料150万円を支払わないと埋葬証明は認めない、と言われてしまった。交渉をしたところ50万円までは下げることができ、埋葬証明書も手に入った。とはいえそれでも高額なため、晴れない思いである。

      原因・アドバイス

      高額な離檀料を請求されてしまうケースの多くは、事前に住職に墓じまいの相談をしていなかった、あるいは墓じまいをする理由や背景をしっかりと伝えていなかった場合が多いです。

      先祖代々お世話になってきた菩提寺であるため、墓じまいの事実だけを伝えるだけでなく、前から相談をしておくべきだったのでしょう。

      しかし本来、離檀料とは菩提寺にこれまでお世話になったお礼を「お布施」としてお渡しするものです。そのため、気持ちよく渡せる金額であればよいのです。

      また、離檀料は法的には不要だと言われています。檀家関係を結ぶ際に、離檀について取り決めが記載されていたら話しは別ですが、基本的に法的効力はありません。

      もし菩提寺との関係がこじれ、墓じまいが思うように進まないのであれば、弁護士に相談するほかないでしょう。

      事例3:墓じまいの工事業者に費用をぼったくられるところだった

      トラブル内容

      お墓の撤去・解体してもらおうと、業者に電話をしてみた。すると3㎡あたり80万円という金額を提示された。元のお墓がある墓地は、立地も良く平坦で、決してお墓を解体する重機が入りにくいようなところではない。その割に予想以上に高い金額だったため不信感を覚え、他の石材店でも見積もりを取ることにした。その結果、A石材店は24万円B石材店は30万円という金額であった。危うくお金を騙し取られるところだった。

      アドバイス・解説

      お墓の撤去・解体費用は1㎡あたり8~15万円と言われています。中には、墓地が山奥にあり工事の重機が入らず費用が高騰する、お墓がある区画に大きな植物の根が張っており費用が高騰する、というケースもあります。しかし、特に費用が高騰する理由がない平坦な墓地であれば、3㎡あたり80万円は明らかに高い金額です。

      今回のケースでは、ユーザーさんは他に見積もりを取ったため騙されることはありませんでした。しかし、工事費の相場感覚が分からずそのまま支払ってしまった、というケースは少なからず存在します。

      よって、お墓を撤去・解体する時は、できる限り複数の石材店に見積もりを取りましょう。

      また見積もりの結果相場より費用が高い場合は、石材店になぜその費用になるのか理由を聞いてみましょう。誠実に理由を話してくれる石材店であれば任せられますが、もし曖昧に回答されるようでしたら、別の石材店を検討するべきです。

      事例4:お骨を取り出そうとしたら正体不明のお骨が出てきた

      トラブル内容

      ご遺骨を元のお墓から取り出す日、自分では3つしか把握していなかったご遺骨が、なんと全部で4つ出てきた。一つは正体不明の骨壺である。

      石材店に協力してもらい、再度自治体で改葬許可証を発行。正体不明のご遺骨も無事新しい供養ができた。

      アドバイス・解説

      古くから先祖代々のお墓がある場合は、今回のように正体不明のお骨が出てくることがあります。古い時代の遺骨については、火葬された焼骨かどうかを確認する必要があります。

      土葬の場合、土が骨に残っているとバクテリアが付着していることがあります。専門の業者に洗骨(せんこつ)してもらってから埋葬し直しましょう。また自治体に申請をすることで、遺骨の再火葬を行うこともできます。

      これらの手続きは、石材店や地方自治体に協力・相談をして進めましょう。

      事例5:骨壺から水が漏れて車の中が水浸しに

      トラブル内容

      お墓から取り出した骨壺を車の中に入れて運んでいたところ、骨壺の中から水が出てた。車の中も濡れてしまい、非常に焦った。

      アドバイス・解説

      骨壺は、墓石の「カロート」と呼ばれる納骨室に埋蔵されています。

      お墓の内部構造

      長年開けられていなかったカロートの中にある骨壺は、結露しやすいのです。中には雨水が入ってしまったのではないか、というほど水が溜まっていることもあります。

      よって骨壺を取り出した際は、一度蓋を開けてみましょう。もし水が染みていた場合は骨壺の中の水を捨て、外気でご遺骨を自然乾燥させるとよいでしょう。

      以上、ここでは5つの墓じまいのトラブルをご紹介しました。トラブルは事前に知っておくことでスムーズに対処できることもあります。墓じまいのトラブルをもっと知りたい!という方は、以下の記事をご覧ください。

      次の章では、墓じまいをした後の新しい供養について詳しくご紹介します。

      墓じまいをした後の遺骨の供養方法

      墓じまいをしたあと、遺骨はどこかに必ず移さなければなりません。
      供養の多様化により、さまざまな方法があります。

      20代~70代で墓じまいを実際にした男女76人に「墓じまい後の供養はどうしましたか?」アンケートを取ったところ、以下のような結果が出ました。

      墓じまい後の新しい供養(n=76)

      墓じまいとはいえ、別の場所に石のお墓を建立して納骨している人が42.1%と一番多いことがわかりました。次に多いのが「永代供養」の35.5%です。

      この章では、墓じまい後の新しい供養について、以下6つを解説します。

      永代供養墓で供養する

      永代供養墓とは、他人の遺骨と一緒に埋蔵する集合墓です。永代供養墓は合葬墓(がっそうぼ)とも呼ばれるお墓のことです。

      合祀(合葬)するため、埋葬後はお墓の管理や手間が一切かかりません。

      「永代供養墓」はこんな人におすすめ

      • 継承者がいない人
      • 複数のご遺骨を墓じまいし、納骨したい人
      • 墓じまいの納骨先の費用を安くおさえたい人
      • 個別で納骨する必要が無い人

      永代供養墓について、詳しくは以下の記事で紹介しています。

      樹木葬で供養する

      樹木葬とは、お墓の目印を墓石ではなく樹木や花などの植物にしたものです。

      樹木葬は永代供養であることが多いため、継承者や管理費はかかりません。※タイプによっては管理費がかかるものもあります。

      「樹木葬」はこんな人におすすめ

      • 少しの間は個別で納骨したい人(すぐ他人と一緒に納骨されたくない人)
      • 自然に還りたい人

      詳しくは以下の記事で詳しく紹介しています。

      納骨堂で供養する

      納骨堂とは、ご遺骨を安置するための室内施設です。
      ただ遺骨を安置するだけのロッカー型や、礼拝ができる須弥壇型などがあります。

      「納骨堂」はこんな人におすすめ

      • 少しの間は個別で納骨したい人(すぐ他人と一緒に納骨されたくない人)
      • アクセスが良いところに納骨したい人

      納骨堂については、下記記事で詳しく紹介していますので参考にしてください。

      散骨する

      散骨とは、山や川や海に遺骨を撒くことです。主に海洋散骨が主流でしょう。散骨するには散骨業者に依頼をしましょう。散骨する際には必ず遺骨を粉末状にしなければなりません。

      「散骨」はこんな人におすすめ

      • 故人が海が好きだった人

      散骨に関しては、「散骨には許可がいる?マナーや手順を紹介」の記事でも詳しくご紹介しています。

      手元供養する

      手元供養とは、遺骨のすべてまたは一部を自宅で保管することです。

      小型のオシャレな骨壺や、身につけておくことができる遺骨収容型のペンダントなど、最近はさまざまな手元供養商品が販売されています。

      「手元供養」はこんな人におすすめ

      • 故人を身近に感じたい人

      普段のファッションの邪魔にならないものが増えていますので、探してみましょう。 手元供養について詳しくは、「手元供養の種類や流れを紹介!故人を近くに感じられる供養法」の記事をご覧ください。

      別の場所で墓石のお墓を建てる

      こちらは、元ある墓石のお墓を撤去・解体した後、別の場所に墓石のお墓を建て、納骨する方法です。

      墓じまいをする理由が「お墓と自宅が遠く離れているから」という方は、この方法を取る方が多いです。

      また、別の場所に墓石のお墓を建てる場合、「墓じまい」ではなく「お墓の引越し」と呼ぶことがあります。

      お墓の引越しについてより詳しくは以下の記事をご覧ください。

      以上、新しいご遺骨の納骨先についてご紹介しました。

      墓じまいにまつわるよくあるQ&A

      最後に、墓じまいにまつわるよくあるQ&Aを見ていきましょう。

      墓じまいをしたら先祖にたたられたりしない?

      墓じまいをしたら縁起が悪い、ということは全くありません。

      それより墓じまいをしないまま無縁墓で放置する方が、よっぽど罰当たりなことでしょう。

      墓じまい云々ではなく、しっかりと先祖を供養してあげること、が何よりも重要です。

      墓じまいの時の服装はどうしたらいい?

      墓じまい(閉眼供養)の時の服装に決まりはありません。とはいえ色が目立つ派手な服や、ジーンズなどのラフな服装は避けるべきでしょう。

      男性の場合、

      • ダークスーツ
      • 落ち着いた色味のネクタイ
      • 靴やベルトは黒、靴下も黒

      女性の場合

      • 地味な色のワンピースに同系色のジャケットを羽織るか、スカートかパンツのダークスーツ
      • 靴やバッグは黒、ストッキングは、肌色か黒

      などが適切です。より詳しく知りたい方は、「納骨式の服装は喪服でなくても良い!時期に合わせた服装について解説」をご覧ください。

      墓じまいの相談は誰にしたらいいの?

      墓じまいの相談は、基本的には家族で行ったうえで、墓地の管理者・お世話になっている菩提寺に相談すると良いでしょう。

      しかし、客観的な意見を求めたい場合や、菩提寺との関係に悩んでいる場合は、中立的な立場のひとに意見を仰ぐのが賢明です。

      相談事・お困りごとがございましたら、墓じまいの相談窓口「ライフドットの墓じまい」にお問合せください。

      ライフドットの電話相談バナー

      墓じまいを行政書士に依頼することもある?

      墓じまいの増加に伴い、墓じまい代行をしてくれる行政書士が増えています。行政書士に依頼するには直接連絡をしてみましょう。

      行政書士とは、行政書士法に基づき,他人の依頼により官公署に提出する書類を作成することを業とする人のことです。昔は「代書屋さん」なんて言い方もしました。

      行政書士へ代行依頼することで費用が発生します。もし依頼する場合は、何をどこまで行政書士に依頼するかは、冷静に考えましょう。

      墓じまい代行についてより詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

      まとめ

      供花とともにしまわれるお墓

      「墓じまい」は、書類の提出や申請、関係各所への連絡など意外と大変です。これまでご先祖様が守ってきてくれた大切なお墓のことです。ひとつひとつの行程を丁寧に進めていくのがよいでしょう。

      また、遠方にお墓があるから「墓じまい」を行おうと検討している人は、「改葬(お墓の引越し)」も検討してみましょう。
      詳しくは、「改葬でお墓問題を解消!いま増えているお墓の引っ越し」の記事を参考にしてください。

      また、墓じまいをすべきかお悩みの方は、ライフドットの「墓じまい・お墓の引っ越し相談窓口」でお電話・WEBお好きなほうでお気軽でお気軽にご質問いただけます。墓じまいの見積もり依頼や、遺骨の引っ越し先のご相談も承っております。


      監修者コメント

      監修者
      終活・葬送ソーシャルワーカー
      吉川美津子

      「墓じまい」の中で一番多い悩みは「誰に相談したら良いかわからない」というご相談です。

      「石材店に相談したら石を売られそう」「寺院に相談したら墓じまいを止められそう」「納骨堂とか永代供養墓は一件一件探すのが面倒」「そもそも自分たちにはどの方法が一番良いのかがわからない」など、墓じまいを相談できる窓口がわかりにくいというのが実情です。

      実際は、石材店でも寺院でも納骨堂でも、基本的な墓じまいの方法は教えてくれます。
      しかし自分が欲しい情報が得られるかどうかはわかりませんので、セカンドオピニオンのように複数の人、複数の業者に聞いてみると良いでしょう。

      墓じまいは親戚間での連絡・調整も必要です。
      あせらずに1年~3年程度かかるつもりで、じっくりと納得できる方法を考えてみましょう。

      墓じまいを検討されている方

      • 墓じまいはどこに相談するのかわからない
      • 複雑な事務手続きをやりたくない
      • 墓じまいにいくら必要なのか知りたい

      墓じまいを何度も経験したことがあるという方は少ないため、不安に感じる方もいるかと思います。
      また、今あるお墓を片付けることに抵抗感がある方もいるかもしれません。
      しかし、大切なのはお墓をきちんと片付け、あとの供養に繋げていくことです。

      ライフドットでは、墓じまいの複雑な事務手続きの代行、新しい墓地・霊園への引越しの提案までサポートします。
      墓じまいで悩まれている方は、まず一度ライフドットにお問い合わせください。