樹木葬を選んで後悔した事例を紹介!デメリットと注意点の実態・失敗しない選び方まとめ
樹木葬の後悔とは?徹底解説
- 樹木葬で後悔している人は約20%
- 他のお墓に比べて後悔している人は少ない
- 樹木葬で後悔する理由はお墓参りの頻度不足
- 失敗を回避するポイントは、供養方法への理解とデメリットの把握
- 樹木葬を選択する前に供養方法・費用を家族との話し合うことが大事
全国石製品協同組合2022年調べの「お墓を建てた後に後悔したことに関するアンケート調査」によると、樹木葬で後悔した人は約20%という実態が判明しました。
樹木葬で後悔した理由は「思ったよりお墓参りにいかなかった」「一般墓地にすればよかった」などがあります。
樹木葬を選んで後悔した人は一定数いますが、実は他のお墓と比べてみると、「樹木葬で後悔した」という人の割合は少ないのです。
確かに、過去には後悔した人が約9割もいたこともありましたが、その数は年々減っており、逆に2021年以降は樹木葬が「最も後悔した人が少ないお墓」となっているのです。
後悔する人が減った背景には、樹木葬とはどのようなお墓なのか、世間の認知や理解が広がってきたことが考えられます。
しっかりと樹木葬のデメリットを知っておくことで、後悔することなくお墓を選ぶことができるでしょう。
樹木葬については樹木葬とは?費用相場・メリット&デメリット・仕組みを解説|種類が豊富で人気の永代供養のお墓を参考にしてみてください。
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この記事の目次
樹木葬で後悔する理由と事例を紹介
樹木葬で後悔する理由や事例を5つご紹介します。
自然に還れると思っていたが誤解だった
樹木葬でよくある誤解
樹木葬って、骨が大地に還ってなくなっていく自然葬じゃないんですか?
「樹木葬だから自然に還れる」と早合点せず、埋葬方法をしっかりと確認しましょう。
一部の樹木葬では遺骨をそのまま土中に埋めるところもありますが、それはごく一部です。
専用の小型骨壺や骨袋に遺骨をいれて埋葬する樹木葬がほとんどです。
骨壺のまま埋葬される場合、「自然と一体になれる」「骨が残らない」という希望はかないません。
都市部からアクセスが良い樹木葬や、墓地や寺院の一角に整備された樹木葬などは、とくに要注意です。
一家に一本ずつ植樹できると思っていた
樹木葬でよくある誤解
樹木葬って、好きな種類の苗木を選んで植えてくれるんじゃないんですか?
樹木葬に対して、「お墓の一つひとつにシンボルツリーが植えられている」「自分の好きな木を選べる」などの先入観を持っている方がいますが、そういった樹木葬はごく一部です。
大半の樹木葬は、植栽や低木のみだったり、草花でガーデニングされている程度のものです。
樹木葬の実態を知らずにイメージ先行でお墓選びをしてしまうと、後悔につながってしまうでしょう。
思っていたよりも費用が高かった
樹木葬でよくある誤解
樹木葬って、安さが人気のお墓なんじゃないんですか?
交通アクセスのよい立地にある都市型の樹木葬は、費用が高くなりやすい傾向があります。
墓地を開発するための土地が都市部の場合は、当然郊外や山奥よりは高くなります。
そのため、樹木葬の利用料金にも影響がでてきます。
また、樹木葬の料金プランは「埋葬する遺骨の数」に比例するケースが多くあります。
樹木葬は基本的にお一人様やご夫婦・少人数での利用に適したお墓が多いです。
ご家族や親族など大人数を埋葬しようとすると、樹木葬は割高だと感じる場合もあるでしょう。
永代供養付きの樹木葬だが生前に維持管理費が別途かかった
樹木葬でよくある誤解
樹木葬って、永代供養なら維持費用はかからないんじゃないんですか?
終活などで生前に樹木葬を契約する場合、プランによっては埋葬予定の方がご存命の間(誰の遺骨も埋葬されていない期間)は、年間管理費がかかる場合があります。
特に、樹木や草花がガーデナーによってメンテナンスされている、庭園のような樹木葬の場合は、「維持管理費」などの名目で定期的な費用がかかることもあります。
契約をする前に、費用の総額と内訳、維持費用の有無をしっかり聞いておきましょう。
「我が家のお墓」という感覚が持ちづらかった
樹木葬でよくある声
いざ樹木葬でお墓参りをしてみたら、何だか味気なく感じてしまった・・・。
昔ながらの墓石のお墓参りになじみがある方にとって、樹木葬は「手を合わせていても先祖を供養している気がしない」と思うこともあります。
しっくりこないままお墓を購入してしまうと、当然ながらお墓参りから足が遠のいてしまうでしょう。
お墓に入る人だけではなく、お墓参りする人も含めて樹木葬を見学してみて、実際の参拝の様子をイメージしてみることをおすすめします。
お墓はそこに眠る人だけのためのものではなく、お参りする人のためのものでもありますので、家族みんなが違和感のないようにしておきましょう。
樹木葬のデメリット
樹木葬で後悔をしないためには、デメリットを理解した上で選ぶことが大切です。
自分や家族の意向に沿う供養方法ができそうか、以下の5つのポイントを事前に確認しておきましょう。
埋葬人数の多い家族用のお墓に向いていない
樹木葬は1~3名用のプランが大半です。
いずれは霊園やお寺に遺骨の管理や供養を委ねる「永代供養」がセットになっていることが多いため、そもそも樹木葬は大人数で利用することが想定されていないことが多いです。
樹木葬に入る人数(埋葬したい遺骨の数)を事前に把握した上で、希望条件にあう樹木葬があるか探していきましょう。
交通の利便性が悪い場合がある
里山型の樹木葬の場合は、自然あふれる環境に立地しているため、交通アクセスが良好とはいかないケースがあります。
1区画ずつに植樹された樹木葬を希望している方や、「自然に包まれた樹木葬がいい」といった場合は、都心から遠く離れないと、希望の樹木葬が見つからないと悩むこともあるでしょう。
購入前に実際に樹木葬へ足を運び、利便性を確認することが大事です。
公共機関、送迎バス、タクシーなど自家用車以外でのアクセス方法も考えておきましょう。
粉骨をしなければならない場合がある
遺骨を納骨するスペースの関係上、樹木葬では骨を細かく砕く「粉骨」の処理ををしなければならない場合が多くあります。
粉骨に抵抗感があり、避けたいと思う方もいらっしゃいます。
埋蔵方法は、樹木葬の霊園ごとに異なりますので、事前に確認しておくことが大事です。
家族や親族の理解が得にくい場合がある
家族や親族から、樹木葬をお墓にすることに対して難色を示される場合があります。
「一般的な墓石のお墓がいいんじゃないか」「自分の周りで樹木葬を買った人なんていない」など、今まで通りの供養方法と異なるものに対して拒否反応を示される方もいらっしゃいます。
このような反対意見は、樹木葬のことをよく知らないことが原因になっている場合が多くあります。
樹木葬とはどのようなお墓なのか説明し、一緒に現地見学をするなどして、故人を供養する人達みんなが納得できるように話し合いましょう。
合葬される場合は遺骨を後で取り出せなくなる
費用が比較的安い「合葬型」の樹木葬では、他の人の遺骨とひとまとめに納骨されるので、後から遺骨を取り出すことはできなくなります。
将来違うお墓に改葬したいと考えている場合や、分骨をする可能性がある場合は、事前に遺骨の埋葬方法を確認しておきましょう。
樹木葬で後悔をしない方法!契約前に確認すべきチェックリスト
樹木葬で後悔しないためには、雰囲気の良さだけではなく、納骨方法やどのように供養されるのか、仕組みも理解しておきましょう。
樹木葬の後悔は、思い違いや先入観が原因となっているケースが多くあります。
樹木葬を契約する前に、関係者で現地見学をしてみて、以下の項目を必ず確認するようにしてください。
樹木葬で後悔しないためのチェックリスト
- 遺骨の埋葬方法・埋葬できる数を確認する
- 季節ごとの景観をイメージしておく
- お墓参りに通いやすそうな立地か
- 費用の内訳を理解したか
- 定期的な維持費用はあるか
- 宗教・宗派の利用条件はあるか|檀家になる必要はあるか
- 家族・親族と十分に話し合ったか
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自分や家族に合いそうなお墓を見てみたい方は、以下から簡単な4つの質問に答えるだけでお墓を検索できます。
4つの質問で見つかる!
Q. お墓は代々継いでいきたいですか?
自宅近くの樹木葬一覧を調べる
樹木葬の購入を検討されている方は、以下より希望エリアの霊園・墓地情報を検索することができます。
樹木葬を探す
樹木葬にはメリットもある!墓石のお墓(一般墓)との違いを比較
一般墓と比較した樹木葬のメリットは以下の3つです。
宗教・宗派の制約がない場合が多い
樹木葬は、種類にかかわらず、基本的に宗教フリーであることが多いです。
どのような宗教の人でも関係なく、樹木葬を利用することができます。
ただ、寺院が直接管理運営している墓地内の樹木葬エリアには要注意です。
一般的なお墓と同様に、樹木葬でも檀家にならなければならない可能性があるためです。
お墓の跡継ぎがいなくても安心の永代供養
樹木葬は、一度料金を支払ったら年間管理料の必要がなく、またお墓掃除やお墓参りも不要な永代供養墓がほとんどです。
ただ、すべての樹木葬が永代供養であるとは限らず、承継者を必要とするケースもあるので、注意が必要です。
大きな墓石を建てないので費用が安い
樹木葬は、一般的なお墓よりも割安なのが特徴です。
個人でお墓を構える場合でも、墓石を建てるのではなく、樹木や植栽がシンボルとなることが多いため、そのぶん費用が安くなります。
タイプ別に費用の目安を用意しましたので、参考にしてください。
お墓のタイプ | 費用相場 |
---|---|
【比較参考】一般的な承継墓 | 200万~250万円 |
樹木葬の個人墓 | 50万~70万円 |
樹木葬の集合墓 | 30万~50万円 |
樹木葬の合祀墓 | 10万~30万円 |
樹木葬の後悔について まとめ
樹木葬にはメリットもありますが、注意すべき点もたくさんあります。
- 自然に還れると思っていたが誤解だった
- 遺骨を細かく砕かなければいけなかった
- 一家に一本ずつ植樹できると思っていた
- 交通アクセスがよくなかった
- 思っていたよりも費用が高かった
- 永代供養付きの樹木葬だけど生前に維持管理費が別途かかった
- 「我が家のお墓」という感覚が持ちづらかった
後悔するケースを前もって知っておけば、対策を練るのは簡単です。
後悔やトラブルに陥らないよう、そして子世代に迷惑をかけないよう、購入検討している樹木葬の下調べは念入りに行いましょう。
樹木葬に関する知識をつけたい方は、以下の記事も参考にしてみてください。
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
樹木葬墓地は、1999年、岩手県の祥雲寺でスタートした墓地です。
自然と共生する納骨方法で人気を集め多くのメディアで取り上げられました。
その後、「樹木葬」と称する墓地が注目されるようになり、特に都市部を中心に広がりを見せています。
そもそも樹木葬とは、樹木をシンボルとした墓地のことを指し、都道府県(もしくは市区町村)から墓地として認めらえたエリアに納骨することになります。
事業主体は、寺院、自治体が大多数で、株式会社等の法人には認められていません。
樹木葬といっても、樹木がほとんどなかったり、シンボルが墓石だったりするケースも少なくありません。遺骨は土に還らず骨壺に納める樹木葬墓地もあります。
何が良いというのは好みですので、一概には言えません。樹木葬墓地を検討していたけれど、いろいろ見学しているうちに一般の墓所にしたというケースも多々あります。