お墓を買うお金がない場合の対処法!お金をかけずに供養をする方法とは

お墓と紙幣

お墓がない家はどうしたらいい?徹底解説

  • お墓購入は高額だが、分割払いや代替方法が可能
  • 永代供養墓など、低コストのお墓タイプが存在
  • 散骨や手元供養など、お墓以外の選択肢も多様
  • お墓を持たない家庭は多く、様々な理由がある

お墓を建てるのにかかる費用相場は、総額で100万~350万円です。

もしまとまったお金がない場合、どのようにご遺骨を供養したらいいか、その方法をご紹介します。

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故人の弔いをしっかりできるかどうかは、決してお墓にかける金額で決まるわけではありません。
後悔のないよう、十分な情報収集をしてみてください。

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この記事の目次

  1. お墓を買うお金がない場合の解決方法
  2. お金のかからないお墓タイプ
  3. お墓を持たないと決めたときの供養法
  4. お墓がない家は意外と存在する
  5. お墓を新たに建てるときに考えたいこと
  6. お墓を探したい方は希望エリアからお墓を探す
  7. 監修者コメント

お墓を買うお金がない場合の解決方法

従来通りの墓石のお墓を建てようとすると、約100万円~350万円の費用がかかってしまいます。100万円以上のまとまったお金を一括で支払うことは困難だ、という方は多くいらっしゃるでしょう。

お墓を買うお金が用意できない場合にとれる選択肢は以下の通りです。

  • ローンなど分割で支払いをする
  • 親族からお金を借りる
  • お金が貯まるまで自宅で遺骨を保管する
  • お金のかからないお墓・供養法を検討する 

それでは一つずつ見ていきましょう。

ローンなど分割で支払いをする

お墓はローンで購入することができます。

金融機関のローンはもちろんありますが、中には石材店でローンを組める場合もあります。

ローンは主に以下の3種類となり、それぞれ特徴があります。

フリーローン(金融機関)

目的を定めずに利用できるローンです。

多くの金融機関で取り扱いがあるため、利用しやすい特徴があります。

目的別ローン(金融機関)

墓地・墓石・葬儀等、特定の目的に対して利用できるローンです。

目的を絞っているからこそ金利がお得になる場合があります。

墓石ローン(石材店)

石材店が独自で用意しているローンです。取り扱いのある石材店・ない石材店と存在するため、事前に確認をする必要があります。

全国の優良石材店からなる「全優石」の加盟店では、メモリアルローンとして実施しているところがあるそうです。

お墓を購入する時のローンについて、より詳しくは「お墓はローンで購入できる!知っておきたい3つのローン」の記事でご紹介しています。ローンを検討している方は、こちらの記事をご覧ください。

親族からお金を借りる

親族からお金を借りるのも一つの方法です。

「お墓のお金を出すのは長男だけだ」という決まりはありません。それにお墓は、親族皆が手を合わせにくる場所になるわけです。

お墓のお金で困った時は1人で解決しようとせず、故人のお墓を望んでいる他の方にも相談してみるとよいでしょう。

お金が貯まるまで自宅で遺骨を保管する

お金が貯まるまで自宅で遺骨を保管する方法をとることもできます。

納骨するタイミングは人それぞれで、四十九日にする人もいれば、一周忌・三回忌(二年目)・七回忌(六年目)にする人もいます。

納骨の時期にも決まりはありませんから、急ぐ必要はありません。

お金を貯めて余裕が生まれてからお墓を建てるのもよいでしょう。

お金のかからないお墓・供養法を検討する

従来のお墓を建てるには約100万円~350万円の費用がかかります。ただし近年では墓石を使わない、お金を安く抑えられるタイプのお墓も存在します。

また「お墓に納骨」をしなくても、「散骨」や「手元供養」といった供養の形を取る人も増えてきています。

それらも踏まえ、次の章では、なるべくお金のかからないお墓タイプをいくつか紹介していきます。

なお、石のお墓を建てたい!けれどなるべく費用を安く抑えたい!という方は「お墓・墓石の値段はいくら?相場より安く購入する方法・石材の種類別価格」の記事をご覧になって、お墓を検討してみてください。

お金のかからないお墓タイプ

ここでは、一遺骨あたり最安5万円から納骨ができるような、お金のかからないお墓タイプをご紹介します。

紹介するのは以下3つのお墓タイプです。

  • 合葬墓(永代供養墓)
  • 樹木葬
  • 納骨堂

合葬墓(永代供養墓)

合葬墓・合祀墓

合葬墓、共同墓、合祀墓とは、他の人の遺骨と一緒に大きいお墓へ納骨する方法です。

この場合、「家族ではなくてお寺や霊園管理者にずっと供養をしてもらう」という意味で、永代供養墓と呼ばれることもあります。

価格相場は1体につき10万円から30万円程度と安価です。

ただ、一度納骨すると他の人の遺骨と混じってしまうため、後で個別に取り出せなくなりますから、注意が必要です。

「樹木葬」に遺骨を納骨する

樹木葬とは、墓石の代わりに樹木を墓標とするタイプのお墓のことです。

樹木葬には大きく2つのタイプがありますが、合葬タイプであれば5万円~40万円、個別納骨タイプだとしても50万円程度で納骨ができる場合もあります。

樹木葬の埋葬方法

一般墓の場合「墓石」の価格が大きくかかってきますから、樹木葬では「墓石」を使わない分、費用を安く抑えることができるのです。

納骨堂に遺骨を安置する

ロッカー式の納骨堂

屋内にたくさんの納骨スペースが並ぶ納骨堂であれば、お墓を建てずに骨壺を保管することができます。

子世代が「個別に遺骨をお参りできなくなるのはさみしい」と訴えた場合に有効です。

価格相場は50万円から、都心部になると150万円ほどのものもありますが、それでも一般的なお墓より安価です。

希望エリアのお墓を探してみる

紹介したお金が安く抑えられるお墓(合葬墓・樹木葬・納骨堂)を見てみたい人は、以下から探すことができます。

お墓を持たないと決めたときの供養法

お墓は必ずしも持たなければいけない訳ではありません。ここではお墓を持たないと決めた時の選択肢をご紹介します。

  • 散骨
  • 本山納骨
  • 送骨
  • 手元供養
  • 骨仏

では一つずつ解説していきます。 

散骨を行う

海上散骨

全ての遺骨を散骨すれば、お墓は必要ありません。
散骨には関連法が設けられていないぶん、「遺骨は2ミリ以下の粉骨にする」 といったガイドラインに沿って行わないと、トラブルになる可能性があります。


よって業者に依頼したほうが安心でしょう。
価格相場は5万円から20万円で、ほとんどが散骨のために海へ出る船のチャーター代です。

複数の家族で船を借りたり、業者に遺骨を預けて委託散骨にしたりすれば価格は抑えられます。
まれに散骨マナーとルールをきちんと調べ、自力で散骨を行う人もいます。

本山に全骨を納骨する

信仰している宗派の本山に全ての遺骨を納骨すれば、お墓は必要ありません。
宗派を問わず納骨を引き受けてくれるお寺もあります。

お布施は、3万~5万円以上と考えておきましょう。
きちんと目安のお布施を提示してくれる寺院がほとんどです。

割り切った考えが魅力の「送骨」

ここ数年で出てきたサービスが、全国各地のお寺に遺骨を発送し、寺院内の供養塔などへ合祀してもらう「送骨」です。
価格相場は3万円からと、新たにお墓を作ることと比べればかなり安価です。

しかも、送骨を受け付けてくれる寺院は昔ながらのお寺が多く、伝統ある寺社に眠れるというメリットがつきます。
「もう、めったにお墓参りはしないので、お寺で面倒を見てほしい」という割り切った考えが叶えられるのが魅力です。

自宅で供養ができる「手元供養」

遺骨、納骨や埋葬を考える

手元供養とは、その名の通り手元(自宅)に遺骨を置いて供養することです。

ミニ骨壺という家においておけるオブジェのようなものや、ペンダントなど身に着けられるアクセサリーのようなものなどが例としてあげられ、最近利用者が増えている供養方法です。

費用は手元供養の種類にもよりますが、だいたい3万円~10万円程度のものが多いといえるでしょう。

みんなの遺骨で「骨仏」をつくる一心寺の取り組み

宗派を問わず納骨を受け付けている大阪の一心寺では、納骨された遺骨を使い、
10年に一度「骨仏」つまり遺骨でできた仏像を作っています。

骨仏は、明治20年から始まった、古くからの伝統です。
しかし、「お墓を作りたくない」「でもきちんと供養してもらいたい」
と悩む現代人にぴったりの供養法ということで、最近注目を浴びています。

以上お墓を買わない選択肢をご紹介しました。墓石のお墓を建てなければ、費用はぐっと抑えることができます。

幅広い選択肢の中から、ご自身に合った供養方法を選んでみましょう。

とはいえ、お墓がないって世間的に見てどうなの?親戚から何か言われないだろうか?と心配になる方もいらっしゃるでしょう。そこで次の章では、お墓が無い家はあるのか?という内容をご紹介します。

お墓がない家は意外と存在する

「お墓がない家」と言葉に表すと、「そんな家があるの?」と驚くかもしれませんが、お墓がない家は意外と存在します。

さまざまなパターンがありますので、順にご紹介します。

お墓の承継者ではない

実家から独立して家族を作り、またお墓の承継者ではない人は、
「実家にお墓はあるが、自分たちが入るお墓ではない」という状況になります。

お墓の継承者とは、通常は長男や長女です。
しかし長女がお嫁に行き、名字が変わった場合は下の子どもが承継者となるのが一般的です。

なお、長男が独立して家を持ち、下の子どもが実家を継いだ場合にも、家を継いだ人が承継者となるでしょう。

実家のお墓が遠く、自分たちのお墓として使えない

お墓の承継者であっても、実家のお墓が遠く自分たちのお墓として使えないときは、「お墓がない」という状況になります。
とくに注意したいのが、夫は実家のお墓を使う気持ちでいても、妻にはその気がない場合です。

妻側の立場で考えれば、住んだこともない土地に葬られるということになりますから、抵抗があって当然でしょう。
「お墓はある」と思い込んでいた人は、配偶者の反対にあって初めて「お墓がない」と気づくことになります。

両親が墓じまいをした

両親が「遠く離れている子どもたちに迷惑はかけまい」と墓じまいを実行した場合、子どもたちにはお墓がありません。墓じまいとは、今あるお墓を撤去して霊園の管理者に返還することです。

取り出された先祖代々の遺骨は、新しいお墓へ引き継がれることもありますが
「もうお墓は作らない」と決心したときは、他の人の遺骨と一緒に供養塔などへ納骨したり、散骨をしたりします。

両親も「自分たちの遺骨は供養塔へ納骨してほしい、散骨してほしい」と希望すれば、お墓がないという状況になります。

さらに詳しく知りたい人は、「墓じまいの流れと注意点を紹介!」の記事を参考にしてください。

先祖代々お墓がない

先祖代々お墓がない家もあります。
「無墓制(むぼせい)」といって、福井県や滋賀県の一部で報告されています。

お墓がなくて、遺骨をどうするのかといえば、信仰している宗派の本山に全ての遺骨を納骨してしまうのです。
この方法は「本山納骨」といい、とくに一部の遺骨を分骨して本山納骨する風習は、関西や北陸を中心に現在でも見られます。

「そうか、我が家にはお墓がなかったんだ」と改めて気づいた人もいることでしょう。

最後にこの記事を読んでこられ、「やっぱりお墓は建てたい!」という方に向けて、お墓を新たに建てる時に考えたいことを解説します。

お墓を新たに建てるときに考えたいこと

お墓のない人が、お墓を新たに建てるとき、考えておきたいことは次の4つです。

  • 承継者がいるか
  • 宗派にこだわりたいか
  • お墓のエリアをどうするか
  • お墓の種類やデザインをどうするか

それぞれ詳しく解説します。

承継者がいるか

子世代が承継者としてお墓を守っていってくれるのかを、まずは考える必要があります。
承継者がいるなら、寺院に檀家として入り、年間管理料を支払っていくような、昔ながらの一般的なお墓を購入できます。

また、公営墓地であれば宗教フリーなので、檀家に入らなくても承継墓を購入できます。
宗教フリーの民営墓地も同様です。

子どもがいない、あるいは子世代がお墓を守っていけないと考えられる場合は、承継者がいなくても買えるお墓に限って検討しなければなりません。

承継者がいなくても買えるお墓を、一般的に永代供養墓と呼びます。
契約期間中は個別のお墓として霊園の管理者が管理と供養を行い、契約期間が過ぎれば供養塔などに合祀されるタイプのお墓があります。

また、樹木葬といい、墓石を設けず大樹の周りに遺骨を埋葬するタイプのお墓もあります。
永代供養のさまざまなタイプを調べてみましょう。

宗派にこだわりたいか

今までお墓のなかった人でも、「できればこの宗派のお寺の檀家になりたい」という考えを持つことがあるでしょう。
夫婦で意見が一致しているのかどうか、確かめてからお墓を検討しなければなりません。

子世代の家から近いお墓か、夫婦の家から近いお墓か

お墓の場所は、お墓参りをする人にとって大事なポイントです。
夫婦の家から近ければ、いずれかが亡くなったときに配偶者がお参りしやすいお墓となります。

子世代の家から近ければ、夫婦ともに亡くなった後もお墓参りを続けてもらえますし、
子世代が承継を希望したときにも便利です。

どちらが良いか、夫婦だけで結論を出すのではなく、子世代ともよく話し合いましょう。

墓石のデザインは配偶者や子どもにも賛成してもらえるか

お墓について主導権を握っている人も、墓石のデザインを決めるときには、とくに慎重にならなければなりません。
一緒にそのお墓へ入る配偶者や、実際にお墓参りをしてくれる子世代が気に入らなければ、家族内でのトラブルに発展します。
必ず家族みんなの意見を求めながらデザインを決めましょう。

以上のように、新しくお墓を買うときは、家族とよく話し合いながら形式やエリア、デザインを決めていくのがポイントです。

お墓を探したい方は希望エリアからお墓を探す

希望エリアからお墓を探すことができます。霊園の写真や、お墓の価格の掲載もございますので、これからお墓を探したい方は参考にしてみてください。


監修者コメント

監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子

お墓がないからといって、遺骨を放置することはできません。家に置いておく分にはかまいませんが、それもいずれは納骨等をすることになるでしょうから、どこかのタイミングで遺骨の行先を考える必要がでてきます。

納骨先を考えるとき、「継いでいくのか」「継がないのか」をまず考えてみましょう。
継いでいくことを前提とした場合は、墓石を建てて家のお墓として墓守をしていくことになります。

納骨堂や樹木葬でも、家単位で購入できるところもあります。
継ぐことを前提としないのであれば、永代にわたって供養・管理してもらえるシステムが採用されているお墓を選びます。

永代管理墓、永代供養墓といわれているお墓のシステムですが、合葬タイプだけではなく、個別納骨タイプなどもあります。
一般墓でも永代供養システムを採用するお墓も出てきました。
どのようにお墓を守っていくかという視点で考えてみるとよいでしょう。

お墓・墓地・霊園の基礎知識を解説