臨済宗の納骨堂を探す|おすすめ7選・費用相場・契約前の注意点を解説
臨済宗の納骨堂を徹底解説
- 臨済宗の納骨堂は10万〜100万円で、タイプにより価格が変わる
- 仏壇、位牌、ロッカーの納骨堂タイプがあり、特性と費用が異なる
- 納骨堂選びはアクセス、宗派、人数、合祀、費用が大切
臨済宗の納骨堂は全国を見てもそこまで多く存在しません。
本記事では、臨済宗の納骨堂を ”大本山” などメジャーなものも含め、ご紹介します。
また思わぬトラブルにも発展しやすい ”檀家義務” など、臨済宗の納骨堂を利用する際の注意点についても解説しています。
希望の臨済宗のお寺に納骨ができるよう、さっそく記事を読み進めていきましょう。
都道府県一覧から納骨堂を探す
実際に希望エリアの納骨堂を調べてみたい方は、こちらから検索できます。
この記事の目次
全国の臨済宗の納骨堂を探す
以下からご希望の都道府県を選択し、臨済宗の納骨堂を探すことができます。こだわり条件に「臨済宗」を入れて検索してみてください。
エリアから探す
臨済宗の納骨堂の費用相場
臨済宗の納骨堂の費用相場は安いもので10万円前後、高いもので100万円前後までします。なぜ、同じ納骨堂で10倍もの開きがあるか疑問に思う人もいるかもしれません。それは、納骨堂にはさまざまなタイプがあり、タイプごとに値段が異なるからです。費用の目安を下の表でまとめました。
仏壇タイプ | 50万円~100万円前後 |
位牌タイプ | 10万円~30万円前後 |
ロッカータイプ | 20万円~50万円前後 |
どのタイプを選ぶかは、利用者の想いや将来的な状況によって人それぞれです。また、多くの人はタイプ別に一体何が違うのかわからないことでしょう。仏壇タイプ、位牌タイプ、ロッカータイプと、それぞれの納骨堂の特徴についてまとめましたの、読み進めてみてください。
仏壇タイプ
仏壇タイプの費用相場は50万円前後~100万円前後です。
仏壇タイプの納骨堂は、文字通り仏壇のような形状をしています。上下の二段構造であることが多く、上段に本尊や位牌などを祀り、手を合わせます。そして下段が遺骨の納骨スペースとなります。
臨済宗では釈迦如来の仏像や絵像(仏様の絵が描かれている掛軸)などが用いられますが、ほとんどの場合、場所をとらずに安価に済む掛軸が背面に掲げられます。そのまわりに位牌やお供え物などを配します(生花や生の食べ物など、お供えには制限があります)。下段に骨壷を安置しますが、他の納骨堂タイプに比べてスペースが広いため、世代を超えた家族利用が可能です。
仏壇タイプの納骨堂の一番の利点は、遺骨が安置されている場所に手を合わせられることです。礼拝も納骨も同じ場所で、しかも自分たちだけの場所で行なえるため、他の人への気兼ねがありません。ただしその分費用も割高です。
位牌タイプ
位牌タイプの費用相場は10万円前後〜50万円前後です。
位牌タイプの納骨堂には納骨の形式が主に2つあります。ひとつは「位牌堂」、そしてもうひとつは「位牌壇」と呼ばれるものです。順にご説明します。
- 位牌堂形式 10万円~30万円
位牌堂形式では、お堂(建物)の中に設えられた棚に位牌をずらっと並べます。礼拝は堂内の一番奥まった場所に安置されたご本尊に対して行い遺骨は一箇所に集められ、他の人の骨壷と並べて安置されます。
- 位牌壇形式 20万円~50万円
位牌壇形式では、ロッカータイプの納骨壇の中に位牌を安置します。位牌と遺骨を同じ場所に置くことができ、個別に手を合わせられます。しかしロッカータイプの納骨壇を1区画購入することになるので費用は割高です。
またお祀りする位牌にも2つの種類があります。
- 自宅の仏壇で祀っていた位牌
- お寺で新しく購入する位牌(統一位牌)
後者の場合、利用者は個別に位牌を購入しなければならないため、別途費用が必要となります。ただし、納骨堂の利用料金に含まれていることもあります。
ロッカータイプ
ロッカータイプの費用相場は20万円前後~50万円前後です。
ロッカータイプとは、コインロッカーのような形状をした納骨堂のことです。同じ大きさの棚が整然と並び、扉を開けた中に骨壺を納めます。場所によってはロッカーの中に骨壷と一緒に本尊や位牌を納めることができますが、かなり手狭でしょう。
多くは、堂の中央や奥まった場所に、礼拝の対象となる仏像や掛軸が祀られ、それを中心にして複数のロッカーが配されています。手を合わせる場所と遺骨を納めるロッカーが別々の場所になります。
ロッカータイプの納骨堂の一番の特徴は、省スペースでコンパクトなこと。そのため、納骨堂の中では利用料金が安価な部類に入ります。ただしロッカーの大きさは、幅、高さ、奥行きなどさまざまで、寺院やによって異なります。また、1列を3段に分けるところもあれば5段に分けるところもあり、上段ばかりが入れて下段が売れ残るという現象も見られます。
【注意】納骨堂は納骨できる人数によって料金が変わる
納骨堂は、納められる遺骨の数によって料金は変わります。複数の遺骨が納められる納骨堂の方が費用は高くなる傾向にあります。また、一人分につきいくら、といった具合に、納骨する数だけ料金がかかることもあります。納骨堂の中に納められる遺骨の量は、収蔵スペースの広さと骨壷の大きさによっても変わるので、購入前に確認しておくことが大切です。
臨済宗の納骨堂は大本山がおすすめ
臨済宗の納骨堂は大本山がおすすめです。日本の臨済宗は14派に分かれており、その数だけ本山寺院があります。代表的な本山寺院、あるいは本山の塔頭(たっちゅう:大寺院に寄り添って建てられた塔や庵などの小寺院)の納骨堂についてご紹介いたします。
なお。臨済宗の本山納骨についてより詳しく知りたい方は「臨済宗の本山に納骨する方法とは?臨済宗や本山の歴史も解説!」の記事をご覧ください。
建仁寺(京都)
建仁寺は、京都市東山区大和大路四条にある建仁寺派の大本山です。鎌倉幕府2代将軍の源頼家の援助を受けて、日本臨済宗の開祖である栄西が開きました。
建仁寺の納骨堂はいわゆる「位牌堂タイプ」のものです。お堂の中心に祀られるご本尊の左右に位牌を並べて供養します。納骨スペースはお堂の地下にあり、骨壷のまま安置されます。特に個別の区分けがなく、利用者の骨壷がずらっと並ぶ形になりますが、いまのところ期間を設けて合祀にする予定もなく、永代にわたって供養してもらえるとのことです。
費用は、永代供養、納骨、位牌の製作、すべて込みで50万円です。
建仁寺の納骨堂に関する情報はインターネット上では掲載されていないため、まずは電話で問い合わせてみるのがよいでしょう。とても丁寧に受け答えをしてくださいました。また、拝観時間内であれば見学もできます(要事前予約)。
建仁寺
住所 | 京都府京都市東山区小松町584 |
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電話番号 | 075-561-0190 |
納骨堂タイプ | 位牌堂タイプ |
価格 | 50万円(永代供養、位牌、納骨料金含む) |
天龍寺(京都) (塔頭寺院:宝蔵院)
天龍寺は京都市屈指の観光地である嵐山にある天龍寺派の大本山です。南北朝の戦乱で敗れた後醍醐天皇の菩提を弔うために足利尊氏が建てたお寺です。敵同士にあった後醍醐天皇を弔うために寺院建立を勧めたのは室町時代の禅僧・夢窓疎石(むそうそせき)です。
天龍寺には永代供養墓はありますが、一般の人向けの納骨堂や永代供養の受け付けはしていません。天龍寺や天龍寺派の寺院となんらかの関係がある人や、どうしてもという事情がある人に限り、受け付けているとのことです。どうしても天龍寺に納骨したいと考えている人は直接問い合わせてみましょう。
ただし、天龍寺の塔頭寺院である宝厳院(ほうごんいん)では、永代供養の受付をしています。宝厳院の中にある無碍光堂は、位牌堂タイプの納骨堂です。ひとつの位牌に1名、ないしは夫婦の戒名を彫刻し、堂内に並べて安置します。戒名が不要な人は、俗名でも供養してもらえます。遺骨は堂内の納骨堂に納められ、三十三回忌法要を終えると供養塔に合祀されます。
戒名料や永代供養料に関しては直接お問い合わせください。
天龍寺
住所 | 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町68 |
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電話番号 | 075-881-1235 |
納骨堂タイプ | 永代供養墓 |
天龍寺塔頭 宝蔵院
住所 | 京都府京都市右京区嵯峨天龍寺芒ノ馬場町36 |
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電話番号 | 075-861-0091 |
納骨堂タイプ | 位牌堂タイプ |
価格 | お問い合わせください |
全国に14ある臨済宗の大本山は他にもあります。詳しく知りたい人は「臨済宗の本山に納骨する方法とは?臨済宗や本山の歴史も解説!」をごらんください。
臨済宗の納骨堂・永代供養墓3選!おすすめピックアップ
ここでは、おすすめの臨済宗の納骨堂や永代供養墓を3つご紹介いたします。
臨済宗の納骨堂は、そもそも数としてそう多くはありません。また、お寺によっても、檀家でなければ利用できない納骨堂と、宗派不問で誰でも利用できる納骨堂とがあります。臨済宗にこだわりのある方は、そのお寺の納骨堂が檀家しか利用できないものなのか、誰でも受け入れてくれるものなのかを事前に確認しておくことが大切です。
大慶寺 のうこつぼ(神奈川県)
大慶寺は鎌倉にある臨済宗円覚寺派のお寺で、室町時代から続く歴史ある格調高いお寺です。湘南モノレールの湘南深沢駅から徒歩5分というお参りのしやすさも魅力です
大慶寺ののうこつぼは墓地に設置された屋外型の永代供養墓。個別に棚が設けられており、1つの棚の中に4~5名の遺骨を納めることができる集合墓です。
住所 | 神奈川県鎌倉市寺分1-5-8 |
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電話番号 | 0467-46-8481 |
納骨堂タイプ | ロッカー型タイプ(屋外に設置、石製) |
価格 | 49万8,000円(別途プレート代3万円) |
妙心寺隣華院 永代供養墓 「佛心塔」(京都)
隣華院は、臨済宗妙心寺派の本山である妙心寺の塔頭寺院です。京都市内にもかかわらず落ち着いた雰囲気の中お参りができます。桜色の美しい永代供養墓は内部が3段に分かれており、骨壷のまま並べて安置します。また石塔の左右に故人様の名前を刻んだプレートをはめ込みます。
住所 | 京都府京都市右京区花園妙心寺町47番地 |
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電話番号 | 075-462-9042 |
納骨堂タイプ | ロッカー型タイプ(屋外に設置、石製) |
価格 | 納骨費用 合祀/10万円 骨壷安置/25万円 永代供養(三十三回忌までの回向) 合祀/35万円 骨壷安置/50万円 特別永代供養Ⅰ (三十三回忌までの回向、五十回忌までの位牌供養) 合祀/60万円 骨壷安置/75万円 特別永代供養Ⅱ (三十三回忌までの回向、百回忌までの位牌供養) 合祀/85万円 骨壷安置/100万円 |
ご紹介した臨済宗の納骨堂を比較する
この章でご紹介した臨済宗の納骨堂を比較することができます。
臨済宗の納骨堂に納骨する流れ
臨済宗の納骨堂に遺骨を納めるまでには、どのように進めていけばよいのでしょうか。納骨堂を探し始めてから無事に遺骨を納めるまでの一連の流れは次のようになります。
- 情報収集
- 資料請求・電話問い合わせ
- 見学
- 比較検討
- 契約
それぞれの場面での進め方や注意点などについてまとめました。順に解説してまいります。
ネットで臨済宗の納骨堂に関する「情報収集」
まずは希望するエリアの中でどんな納骨堂があるのか情報収集をします。情報収集のとっかかりとして最もよいのはネット検索です。【希望のエリア 臨済宗 納骨堂】で検索してみると、さまざまな臨済宗の納骨堂のページが出てきます。
納骨堂のポータルサイトや比較サイトだけでなく、寺院や霊園のオリジナルのサイト、住職のブログ、FacebookやtwitterなどのSNSページなど、さまざまなページを閲覧しましょう。大々的に納骨堂を売り出しているところがある反面、広告活動や情報発信こそ少ないけれどお参りのしやすい寺院もたくさんあります。情報収集の段階では質より量を意識して調べることをおすすめします。
興味のある納骨堂の「資料請求」「電話問い合わせ」
情報収集したものの中で、興味のあるところを数カ所選んで資料を請求します。資料が届くと、どのような施設か、どのように供養をしてくれるのか、費用がどれくらいかかるのかなどを確認しましょう。
資料請求は主にネット申し込みと電話申し込みがありますが、筆者は後者をおすすめします。電話越しの対応や人柄もその納骨堂を評価する大切なポイントだからです。納骨堂は大切な家族の遺骨を預け、お参りして手を合わせる場所です。いわば「心」の安心や納得が求められる場所だからこそ、そこを管理する人の人柄が満足度を大きく左右します。また、中には資料の用意がないという寺院もたくさんあります。その場合は、なおのこと電話で詳しく尋ねましょう。
目星をつけた納骨堂へ「見学」
取り寄せた資料や電話問い合わせをした上で、候補をいくつかに絞り込みます。そして目星をつけた納骨堂には実際に見学に出向いてみます。現地の雰囲気というのは、やはりネットや資料では分からないものです。
納骨堂内の雰囲気、お参りのしやすさ、自宅からのアクセス、周囲の環境など、実際に自宅からのお参りをイメージしながら確認できますし、分からないことや気になることがあれば、住職やスタッフに直接尋ねることもできます。
複数の納骨堂を比較
情報収集、資料請求、電話問い合わせ、現地見学を終えると、いよいよどの納骨堂にするかを決めていきます。複数の納骨堂を比較をするのに、下の表を参考にしてみてください。
アクセス | 自宅から寺院までの距離やお参りのしやすさ。車、公共交通機関それぞれの場合をシミュレーションしてみる。 |
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宗旨宗派 | 宗旨宗派に制限はあるか、檀家になる必要があるか、護持会への加入義務があるか、など。 |
納骨堂のタイプ | 仏壇タイプ、位牌タイプ、ロッカータイプなど。 |
収蔵できる遺骨の数 | 何人までの遺骨を納められるか。将来のことも想定しておく。 |
合祀のタイミングとその後の供養 | 契約期間の満了やお参りの人がいなくなるなどによる合祀のタイミング。遺骨は骨壺から出されて他の人と同じ場所に埋葬される。 |
費用 | 納骨堂の利用料金。年会費がいるのか、永代供養料も含まれるのかなど。 |
住職やスタッフの人柄 | 住職やスタッフが安心できる人柄か。 |
契約
利用する納骨堂が決まったら、寺院と契約を結びます。契約の際には、次のようなものが必要となるため、事前に確認しておきましょう。
- 申込書類
- 本人確認書類(免許証など)
- 認印
- 住民票
- 戸籍謄本
契約と費用の支払いが済んだら法要を執り行い、納骨します。火葬場から渡された「埋火葬許可証」は寺院が保管するものなので、忘れないように持参しましょう。なお、墓じまいをして臨済宗の納骨堂に納骨する場合は、すこし手続きが異なります。詳しくはこの記事の後の章で紹介しています。
臨済宗の納骨堂を契約する前に確認したい5つの注意点
納骨堂を契約する前には必ず次に挙げるポイントに注意しましょう。あとから気づいてしまったとしても、契約したあとでは取り返しがつかないこともあります。
檀家になる必要があるか否か
納骨堂を利用することでそのお寺の檀家にならなければならないかどうか事前に確認しておきましょう。臨済宗のお寺が営んでいる多くの納骨堂では、檀家になる必要はなく、宗旨や宗派を問わずに利用者を募っています。
しかし一方で、「お寺は檀家のものだ」という考えも根強く、納骨堂を檀家にしか開放していないお寺があるのも事実です。檀家になるということは、他の檀家と一緒にそのお寺を経済的に援助していくことを意味し、それを負担に感じる人も多くいます。契約したあとに知ったということがないようにしておきましょう。
後継者が必要か否か
自分の死後に納骨堂を見てくれる後継者が必要かどうかも確認しておきましょう。多くのお寺では、お参りの人がいなくなったあとは永代供養に切り替えてくれます。
納骨できる人数は何人か
納骨堂に何人の遺骨を納められるかを事前に知っておかないとあとから遺骨が入らない、という事態がおきかねません。
納められる遺骨の数は、納骨堂の大きさと骨壺の大きさによって異なってきます。その納骨堂に「祖父母や両親とともに自分たちの遺骨を納めたい」「子や孫にも入ってもらいたい」と考える人もいます。自分たちのいま置かれている状況や将来的な予測も考えた上で、納骨堂の検討が必要です。
個別で納骨できる期間は何年か
個別納骨の期間を過ぎると骨壷の中から遺骨を出して合祀されます。一度合祀にしてしまうと、遺骨の返却もできなくなります。はじめから合祀、一定期間の個別納骨のいずれかを選べますので、期間についてはあらかじめ確認しておきましょう。
交通アクセスは良いか
お参りの上で最も重要視されているのがアクセスの良さです。実際に自宅から寺院にまでお参りに行くときのことを想定してみましょう。
もしも車でお参りするのであれば、運転しやすい道か、駐車場は完備されているかなどを確認します。公共交通機関を利用するのであれば、最寄りの駅から徒歩で行ける距離か、電車やバスの乗り換えをどれくらいしなければならないかなどを確認します。
墓じまいをして臨済宗の納骨堂に納骨する場合
いますでにお墓を持っている人が納骨堂に納骨する場合、墓じまいをしなければなりません。
墓じまいでは、墓石の撤去だけでなく、墓石の性根抜き法要や、改葬許可申請など、付随してしなければならないことがたくさんあります。墓じまいの手順や費用についても、あらかじめ把握しておきましょう。
墓じまいの手順
墓じまいには、主に次の5つのことを同時進行で行います。
- 納骨堂の契約
新しくお骨を納骨する臨済宗の納骨堂を探し、契約します。 - 改葬許可申請
改葬元(墓石のある自治体)の役所から「改葬許可証」を入手します。そのためには、改葬元からの「納骨証明書」と、改葬先からの「受入証明書」が必要となります。 - 寺院による魂抜き、離檀
墓石を解体する前には必ず寺院に魂抜きの法要をしてもらいます。また、墓じまいをすることによって檀家でなくなるのであれば「離檀料」の用意が必要となることもあります。 - 墓石の解体撤去工事
石材店に依頼して墓石の解体撤去工事を行います。墓地はきれいな更地にして管理者に返還します。 - 納骨堂への納骨
臨済宗の納骨堂に納骨します。お骨とあわせて「改葬許可証」も持参します。
詳しくは「墓じまい」の記事をごらんください。
墓じまいの費用
墓じまいをするためには次のような費用がかかります。
- 新たに納骨する納骨堂の契約
納骨堂の費用相場は、タイプによって異なりますが、10万円~100万円程度します。 - 改葬許可申請
改葬許可申請に特別な費用は掛かりません。役所に対して書類発行の手数料がせいぜい数百円かかる程度でしょう。もしもこのあたりの手続きを行政書士などに代行してもらうのであれば、数万円の費用がかかります。 - 寺院による魂抜き、離檀
魂抜きのためにしてもらう法要には1万~5万円の御布施を包みます。また離檀料の費用はお寺によって異なりますが、10万円~20万円が相場だと言われています。 - 墓石の解体撤去工事
墓石の解体撤去工事の費用は、30万円前後でしょう。これは墓地の広さや石塔の大きさ、数によって変動します。目安は墓地の面積1㎡あたり7万円~15万円位だと言われています。
詳しくは、「墓じまい 費用」の記事をごらんください。
【コラム】そもそも臨済宗とはどのような特徴がある?
臨済宗は、日本の禅宗のうちのひとつで、鎌倉時代に栄西によって開かれました。室町時代には朝廷や幕府とも近い関係にあり、いわゆる日本的伝統美との親和性が非常に高いのが特徴です。茶道、華道、香道、建築、美術などの「わび・さび」の文化は、臨済宗の寺院の境内のあちこちで触れることができ、落ち着いた雰囲気の中でお参りができるのではないでしょうか。納骨堂を探す際は、ぜひともお寺の雰囲気も感じながら巡ってほしいものです。
まとめ
臨済宗は、日本の禅文化の発展に大きく影響しているため、寺院の雰囲気をわびさびを感じさせるところがとても多くあります。納骨堂や永代供養を任せる場所として、安心できるのではないでしょうか。また、臨済宗だけにこだわっているのであれば、日本全国さまざまな宗派の寺院が納骨堂を持っています。ライフドットでは他にも多数の納骨堂をご紹介していますので、興味がある方は是非ともリンクをクリックしてみてください。
では最後に、この記事のポイントを箇条書きでまとめます。
- 臨済宗の納骨堂の費用相場は、安いもので10万円前後、高いもので100万円前後。納骨堂のタイプによって異なる。
- 仏壇タイプの費用相場は50万円~100万円前後。形状が仏壇のようで、上下二段構造で、上段が仏壇、下段が納骨スペースとして利用する。自分たちだけの納骨壇が持てて、遺骨も複数納骨できるがその分費用が割高。
- 位牌タイプの費用相場は10万円〜50万円前後。「位牌堂形式」は位牌を並べるだけなので割安。「位牌壇形式」はロッカータイプの納骨壇を使用するために割高になる。統一位牌を作成する場合は別途費用がいる。
- ロッカータイプの費用相場は20万円~50万円前後。コインロッカーのような形状の納骨壇の中に遺骨を納める。
- 納骨堂は納骨できる人数によっても料金が変わる
- 臨済宗の納骨堂は大本山がおすすめ。本山寺院でなく、そのすぐそばにある塔頭寺院が経営しているケースが多い。
- 臨済宗の納骨堂に遺骨を納めるには【情報収集】→【資料請求・電話問い合わせ】→【見学】→【比較検討】→【契約】という流れで進む。
- 納骨堂を選ぶポイントには、アクセス、宗旨宗派、納骨堂のタイプ、収蔵できる遺骨の数、合祀や供養について、費用、住職やスタッフの人柄などがある。
納骨堂を契約する前には次の5点に注意する- 檀家になる必要があるか否か
- 後継者が必要か否か
- 納骨できる人数は何人か
- 個別で納骨できる期間は何年か
- 交通アクセスは良いか
- 納骨堂に遺骨を移すのに合わせて墓じまいをしなければならない場合、最低でも100万円近くかかる。手順とおおよその費用相場は次の通り。
- 納骨堂の契約(10万円~100万円)
- 改装許可申請(数百円)
- 墓石の魂抜き(1~5万円)離檀(10~20万円)
- 墓石の解体撤去工事(約30万円)
- 納骨堂への納骨
監修者コメント
監修者
終活・葬送ソーシャルワーカー
吉川美津子
臨済宗は大きく14派の宗派があり、鎌倉時代、室町時代に公家や幕府に擁護されたことから、華やかな桃山文化の中心となりました。臨済宗の寺院を格付けする制度として「五山」が知られています。京都と鎌倉にそれぞれ五山があり、その上にあたる「五山之上(ごさんのうえ)」という最高寺格として南禅寺がおかれました。五山の下には十刹、緒山という格もあります。
臨済宗の開祖である栄西は、幕府に接近して布教と合法化させ、東大寺の僧正まで出世しました。そのため権威に妥協した僧として批判を受けることもありましたが、日本に禅を広め定着させたいという意図と信念に基づいた行動であると言われており、後に茶道や精進料理、さらに芸術の域まで禅の影響が深く日本文化として定着したのは臨済宗の功績が大きいと言えます。